2014年06月04日

ベトナムにおける感染症

ここ数か月、ベトナムでの感染症の流行に関するニュースをよく耳にしました。はしか、水ぼうそうはその顕著な例です。
手足口病はついこのあいだ流行した病気で、衛生局は、年初から全国で17,410件が確認されているとしました。その内2件では患者が亡くなっています。
確認された発症件数の内83%が南部での確認ですが、家族や仲間を考えられるリスクから遠ざけるため、私たちは皆この病気について正しい知識を身に付ける必要があります。
 
 
 
 
 
病気
手足口病は世界中で見られる病気で、数種類のウイルスによって引き起こされます。感染するのは主に乳幼児ですが、成人も感染します。ほとんどの患者は特別な治療無しに、軽度の症状で済みますが、稀に脳炎や髄膜炎といった命の危険に関わる合併症を引き起こすこともあります。
 
 
症状
感染後3-7日で発症します。発熱、食欲減退、全身の倦怠感、喉の痛み等が主な初期症状です。1-2日以内に、口内の潰瘍(痛みを伴う)や、手足・臀部の発疹といった手足口病の典型的な症状が現れます。
この発疹に痒みは無く、小さな水ぶくれのように見えます。
また、口内の潰瘍が痛み、飲食を妨げるため、脱水症状に陥りやすいので注意が必要です。
 
E71ウイルスによる感染の場合、稀ですが、髄膜炎、ポリオ疾患に似た麻痺症状や脳炎といった致命的な症状を引き起こすことがあります。
 
 
感染方法
人から人への感染で、飛沫感染、もしくは糞便からの経口感染により拡大します。ウイルスは便・粘液・唾液・水泡等、患者の身体の分泌液に存在します。健康な人がウイルスに汚染された飲食物や物体を口に入れた時、またはウイルスを吸入したときに感染します。
感染力が最も強いのは、発症後7-10日間で、症状が治まった後も感染するので要注意です。便にウイルスが存在しています。
 
 
診断
通常は既往歴や臨床症状から診断されます。検査は特に必要とされず、また、検査結果を得るのには2-4週間を要します。しかし、原因ウイルス特定のために検査をすることはしばしばあり、その場合、咽頭スワブ・便を採取し検査します。
 
 
治療
特に治療は行いませんが、7-10日で完治します。不快症状を緩和する為、痛み止めや解熱剤を使用することはあります。アスピリンは、医療専門家が勧めない限り、乳幼児への投与は避けてください。他には、脱水予防のため、安静にし、十分な水分補給を心がけることです。引きつけや痙攣、震えなどの神経系症状が見られる場合は入院治療が求められます。
 
 
予防
現在、手足口病のワクチンはありません。
 
徹底した衛生措置が感染拡大を防ぎます。こまめな手洗いもその一つです。特におむつを替えた後やトイレの後などは気を付けましょう。
食べ物のシェア、飲み物の回し飲み、同じ食器を使うこと等も避けてください。
くしゃみをする際は鼻と口を押さえ、すぐに手を洗ってください。
患者へのハグやキスなど、密接な接触も控えましょう。
また、症状が治まってからも、2週間は患者の口腔・呼吸器からの分泌液には触れないようにしてください。
 
手足口病の病原菌は数多くの殺菌剤に対して耐性がありますので、汚染されたものは塩素系漂白剤(ブリーチ等)かヨウ化殺菌剤での消毒を行ってください。
 
 
 
 - ダミエン・カミンズ医師(イギリス)
Dr. Damien Cummins (UK)

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お名前 : Dr. Damien Cummins (UK)