2015年01月30日

ベトナムの税制事情2

3. その他、税制で知っておくべき税項目

 2010年に移転価格税制が法整備され、ベトナム進出された企業様から年々注目を集めております。移転価格税制とは、関連者間で独立した第三者との取引価格(独立企業間価格)と異なる価格にて取引が行われた場合、その取引は独立企業間価格にて行われたとみなして課税所得を計算する制度を言います。

 移転価格税制の対象取引がある場合、「文書化」という、当該取引にかかる説明文書の作成が必要となります。文書化では、関連者取引価格の客観性が検証可能であことが重要となり、この文書は税務当局から要求を受けた日から30日以内に提出する義務があります。文書化を行っていない企業様につきましては、早めの対応をお勧めいたします。

4. 税制でよく企業が陥りそうなこと

 国際税務においては、適切な居住地国の判定や国際的二重課税の排除が重要であるといえます。各国で居住者の判定を自国の法令にもとづき行うため、それぞれの国で居住者と認定を受ける懸念があります。すなわち、ベトナム居住者と日本非居住者は必ずしもイコールではないため、日越双方の居住者判定ルールを知る必要があります。

 当該双方居住者の問題に対応するには、日本居住者がベトナム居住者(双方居住者)とならないようにベトナム滞在日数を183日未満にし、恒久的な居所を持たないようにする必要があり、反対に、ベトナム居住者が日本非居住者となるように、1年以上の期間でベトナムへ赴任する事をお勧めしております。

 また、非居住者の場合は、日越租税条約に基づく短期滞在免税制度を申請することもできます。これは、要約すると、非居住者に対する報酬がベトナムの法人・居住者・恒久的施設から支払われない場合、当該非居住者のベトナムにおけるPITが免除となるものです。当該免税申請をしなければ非居住者としての課税リスクがあります。

 ただし、租税条約に基づく免税申請は困難であることに加え、外資系企業の代表者には適用不可であるなど、制度自体の問題もあるといえます。

石川幸

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