ベトナム国内で豚の脳を利用した薬が流通、頭痛を訴える患者相次ぐ
ベトナム国内では豚の脳を成分として利用した薬が流通している。この薬は集中力が上がるとして多くの市民が利用していた。
<頭痛で頭を抱える男性>
ベトナム国内では豚の脳を利用した薬が集中力が上がる効果があるとして薬の利用が広がっている。
ホーチミン在住のN.T.M.Dさん(36)は薬の服用後、バランス障害、物忘れ、集中力が散漫になるといった症状を訴えているそうだ。
N.T.M.Dさんは友人の勧めで薬である「Cere」を購入した。「Cere」は豚の脳のタンパク質から製造されている。豚の脳は記憶力やその他の脳の機能が向上するとされており、この薬を患者に勧める医師も少なくないという。
「Cere」を購入した別の女性のN.T.P.T.さん(39)は薬の服用後、疲労感を感じたり、ぼんやりする症状が出たという。副作用が出た一方で、集中力が上がるという効果は感じられなかったため服用を中止した。
ホーチミン市内の病院に勤務するNguyen Huy Thang医師によると、ベトナムの脳卒中患者は脳の機能を向上させるために家庭内で注射を打ち、「Cere」を服用しているという。
Thang医師は「『Cere』を服用すると、集中力や記憶力が低下するうえ、バランス障害にも陥ってしまう。こういった症状は脳卒中、貧血、うっ血性心不全、退行性神経疾患、アルツハイマー病、血管性認知症といった病気につながる恐れがある。薬を服用すると、命にかかわる重大なアレルギー反応を引き起こす可能性もある」と話す。
Thang医師は「『Cere』の服用後に集中力が上がったと感じるのはプラシーボ効果効果による錯覚だ」と説明する。「プラシーボ効果」とは実際に薬の効果のないものを効果があると信じさせて服用させて治療効果を上げることだ。
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