実現可能な期待が重要|オーストラリアン・インターナショナル・スクール

2019年11月21日(木)00時00分 公開
実現可能な期待が重要|オーストラリアン・インターナショナル・スクール

<写真:イメージ画像>

 

筆者:マークベラ副校長先生 

 

最近私は幸運にも2019年、東京で開かれたラグビーワールドカップの準々決勝を観戦することができた。

特に、アイルランドとニュージーランドとの試合は、成功へのプレッシャーとそれを成し遂げることとの関係がどれほど強力かを私に強く印象づけた。

アイルランドは、大会直前に世界ランキング1位に上がっており、大会前の3試合でニュージーランドを2度も下していた。

アイルランド国民とアイルランドのスポーツメディアは、「アイルランドはニュージーランドに勝つだろう」と予想した。

しかし、決勝トーナメントに入ると、このような期待は非現実的なものとなっていった。

その結果、アイルランドの選手たちは大きなプレッシャーにさらされていた。

このようなプレッシャーで緊張し、アイルランドは試合でミスを連発し、完敗を喫した。

 

ニュージーランドも世界チャンピオンとして、試合でいいプレイをみせ、勝利するというプレッシャーのもとにあったはずだ。

しかし、この数年間、ニュージーランドはアイルランドと違い、結果より過程に集中する精神的アプローチを行い、プレイに影響を与えかねないプレッシャーを取り除いた。

 

では、期待とプレッシャー、成功は教育とどんな関係があるだろうか?

第一に、成功が何を意味するかを定義する必要がある。

ほとんどの教育者にとって 学業上の成功は、特定の点数を取ることだけではない。

むしろ、学生が実現可能な目標を達成し、彼らの潜在能力を発揮することだ。

この定義によると、「A*」を取る潜在能力はあるが、学業に対する精神的姿勢が悪く、「C」等級を受けた学生は成功していないことになる。

一方、積極的な態度を持っており、熱心に勉強し「C」等級を取った平均的な学生は成功したといえる。

平均的な学生に「A*」を取るのを期待することや「A*」を取れなかった時に失敗したと判断することはどちらも非現実的で、不公平だ。

私が親や校長として学校報告を見るとき、最も価値を置くのは、態度や努力に関する評価と論評だ。

 

ここで重要なのは、保護者や教師、そして生徒自身への期待が実現可能なものであるということだ。

しかし、人々が実現が不可能な期待を抱いている時、ネガティブな結果に繋がる過度のプレッシャーをもたらすことがある。

生徒でも同様だ。

 

生徒たちに何時間もの自習を強要すること(特に集中力が低く、非生産的な勉強)や、結果の悪かった生徒を激しく叱ったり罰することは、一般的に意欲をそぐことであり、成し遂げることに対して不安を引き起こし、ひどい場合はうつ病を招くこともある。

さらに、悲しい皮肉なことに、望ましい改善ではなく、パフィーマンスの低下に繋がることもある。

 

これとは対照的に、生徒の結果に対する期待が現実的な場合、生徒たちは過度なプレッシャーを受けずに、ニュージーランド代表のオールブラックスと同じく、過程に注意を傾け、肯定的な集中と動機付けを維持して、良い結果を達成することができる。

アメリカのスポーツ監督ジムジャボは「現実的な期待」について、「我々は昨日より良くなり、明日は今日よりよくなる。 それが成功のための計画だ。」と話している。

 

脚注:ラグビーワールドカップ準決勝ではイングランドがプレッシャーをかけ、ニュージーランドが水準以下の試合を展開し、敗北した。
一方、決勝では南アフリカがイングランドにプレッシャーをかけ、勝利した。

 

筆者:マークベラ副校長先生 

 

 

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