2014年04月28日

インターナショナルスクール授業料の背景

ハノイからホーチミンに至るまで、およそ20,000人のベトナム人生徒がインターナショナルスクールに在籍している。入学を希望する者はさらに多い。しかし、年間授業料は平均300,000,000ドンを超え、子供に国際的進路を与えようとしている家庭の経済状況を深刻に圧迫している。

我々は、その高額な授業料の背後にある理由を探る為、ホーチミン市内でも高評価を得ているインターナショナルスクールのうち1校の校長にインタビューを行った。

 

オーストラリアン・インターナショナル・スクール(AIS)理事長、キーヴィル博士に問う。

Q: インターナショナルスクールの授業料はなぜ高いのか。

我々はベトナムの家庭が教育をとても重要視することを理解しています。親は皆、子供には自分たちよりも良いチャンスを掴んでもらいたいと思っていますね。インターナショナルスクールは、親が子供に望む経験を与え、チャンスに溢れた世界を探求するための、様々なスキルを習得させることができるのです。

質問の答えですが、まず、インターナショナルスクールは政府の補助金を一切受けていませんから、インフラ施設の維持更新、人件費、日常的に行われる細かな改善等にかかるコストは、全て授業料から捻出されています。

例えば、AISは営利学校ですが、生まれた利益は全て、運営資金や施設更新費といった面で、学校に還元されます。

どこの学校でも、指導教員に充てる人件費は高コスト要因の1つです。当校の教員は経験豊富で、教員にふさわしい者ばかりです。良質なインターナショナルスクールは、指導経験が5年未満の教員を絶対に採用しません。教員歴が長ければ長いほど、賃金が上がります。年齢の高い教員には扶養家族(配偶者、子供)がおりますし。新卒の教員を採用することで人件費の削減はできますが、やはり教員歴の長い、既婚の教員には経験値が劣ります。また、そうしたベテラン教員は、同じポジションに長く留まる傾向がありますので、子供たちを継続的に見ることができ、各生徒をより良く理解する事ができるのです。

高額な授業料のさらなる要因は、情報通信技術(ICT)への投資です。

学校は、ICTの急速な発展に遅れないように、常に設備を更新し、また、正しいスキルと知識を持って子供たちを指導できるよう、教員に研修を受けさせる必要があるのです。また、保護者からの期待も高いですから、全教室にエアコンを備えるべきだと言う要望をお持ちの方もいらっしゃいますね。運動場や図書館はしっかりした物が求められますし。また、少人数クラスでの高質な授業も望んでおられます。今年、AISは新しくMacラボを開設しました。カリキュラムで要する高レベルのグラフィックスに、通常のPCは不十分だったのです。『デザインとテクノロジー』の授業では、3Dプリンターを導入しました。多くの学校が夢見ている物です。3Dプリンターは、最新の作業環境では一般的になりつつあります。自分自身で描き、切り貼りせずとも、全て機械によって行われます。「自動化」される世界、その魅力に気づかせることが目的です。

科学の授業も、高額授業料の要因となっています。海外の大学はどこも学生に実践的なスキルを要求しますから、インターナショナルスクールでは、学生の理論的知識をサポートする為、実践的な実験に多額の投資をしています。『科学と物理』の授業では、実験材料の95%は現地で調達できないものですので、海外から仕入れています。こうして税や輸送コストがかさんでしまうのです。

その他のコスト要因は、アシスタントやサポート教員です。AISでは、教室のアシスタントは全員、資格を持ち、訓練を受けた現地の教員です。彼らは、教室での教員の仕事をサポートし、全ての生徒がサポートを受けられる、また、才能のある生徒が思考や成長レベルをさらに飛躍させられるような挑戦ができる環境を確保します。サポート教員は、教員が教え、生徒が学ぶという環境を維持するのには欠かせない存在です。

また、AISでは専門教育にも多額の投資を実地しています。私たちは音楽、芸術、体育や言語といったいくつかの重要分野では、専門家による教育を通すことで、生徒の進歩が促されると認識しています。

インターナショナルスクールにおいて重要なポイントは大学への入学準備・斡旋です。私たちの誇りは、卒業生全てを大学へと送り出せることです。これは偶然ではなく、大学と良好な関係を築いていることによります。当校は最近、AISと生徒たちのプロフィールを紹介する為に、カウンセラーを海外の大学に派遣しました。

AISでは、勉学、スポーツ、そして音楽の分野で奨学金を支給しています。我々は授業料の面で様々な問題を抱える生徒の存在を認識していますし、そこには保護者の支援が不可欠です。こういったご家庭の経済的問題を支援しようと試みています。

 

Q: 授業料が毎年高騰するとなると、保護者はどのように経済的見通しを立てればよいのか。

インターナショナルスクールにお子さんを入学させると決定した時点で、保護者の方はそれが長期的な投資になるという事を理解しておく必要があります。あなたのお家にはもう余裕がないので、学校を辞めてください、と生徒に伝えると言う一連の流れは、教育上有害なことであると思っておいていただきたい。

インターナショナルスクールに入学させるということは、預金口座に貯蓄しておくようなものです。数年後、知識に富み、心の広い、バランスの取れた国際人に出会うでしょう。あなたが子供に投資する代わりに、我々は、子供たちに人生におけるより良い選択肢を与えるのです。

 

Q: インターナショナルスクールからの家庭への見返りは何だろうか。

我々から見るとAISの生徒たちはとても幸せですよ。満たされた環境で、利用して然るべき授業体制とサポート。彼らは、学問的には試されていますが、心理面ではサポートされており、また、社会的なバックアップも存在します。子供が、幸せだ、安心だと感じたなら、その子は確実に力強く育つでしょう。そして、保護者の皆様が我々に一番大切な宝物、お子さんを預けてくださるとき、未来に誇る明日へのリーダーを輩出するべく、できる限りのことをさせて頂くつもりです。

Clive Keevil <br/> オーストラリアン インターナショナルスクール(AIS)<br/>理事長

この記事を書いた人

お名前 : Clive Keevil
オーストラリアン インターナショナルスクール(AIS)
理事長