2014年11月11日

会社セットアップ期に必要な手続について

日系企業様が投資ライセンスを取得された後、様々な手続が必要になります。本稿ではこのセットアップ期(設立後概ね1~2か月)に必要な手続、検討事項について概観いたします。

 

会社設立後に必要な手続・検討事項例

1 会社設立後すぐに必要な手続 

 ・税コード取得    ・会社印取得    ・新聞公告    ・銀行口座開設 

2 会社設立後1ヶ月以内に必要な手続 

 ・会計情報登録  ・銀行情報登録   ・事業者登録税申告・納税

3 会社設立後すぐ~2ヶ月以内に行われる手続

 ・TOKEN購入   ・VAT申告(月次)   ・レッドインボイス発行許可申請 等々

4 駐在員様に関する手続・検討事項

・税コード取得 ・労働許可証(WP)取得  ・会社印取得 ・給与・住宅等の駐在条件の決定

・新聞公告 ・滞在許可(VISA、TRC)  ・銀行口座開設 ・日本側(ないし他国)からの出国手続

5従業員の雇用に関して必要な手続

・労働契約締結    ・賃金テーブルの作成   ・就業規則作成(10名以上必須)

・社会保険手続(正規雇用時)    ・給与計算    等

 

 今回はこの中から、会計・税務について関係する項目をいくつかピックアップし、留意点をご説明したいと思います。

1.会計情報登録

 1)決算月

 3・6・9・12月の選択制となります。通常はライセンス取得時にご決定されているかと存じますので、税務署登録時に変更される場合は定款の変更を行う必要がございます。

 初年度は最大15か月の会計期間が認められているため、会計期間毎の会計監査が義務付けられている日系企業様にとっては、できるだけ長い会計期間を設定されると監査コスト低減が見込めることとなります。

 その他親会社様と決算期を合わせることや、逆に親会社様と決算期をずらすことによって繁忙期をずらすということも意思決定の一つの方法となります。

 2)減価償却方法

減価償却方法としては定額法、定率法、生産高比例法がございますが、定率法の使用についてはベトナムでは複数の条件を満たす必要があるため、実務的には定額法を選択される企業様が大半となります。

 3)VAT計算方法

控除法(日本でいう原則法)と直接法(日本でいう簡易課税方式)のいずれかを選択しなければなりません。その他、「棚卸資産数量・棚卸資産単価の計算方法」「記帳通貨」などについての意思決定が必要となります。

 

2.銀行口座情報登録

銀行口座開設後 10日以内での税務署への届出が必要であり、遅延の場合は罰金の対象となります。また、登録されていない銀行口座からの支払いはCIT(法人税)上損金不算入、VAT(付加価値税)上控除不可と影響は広範囲となりますので十分にご注意くださいませ。

 

3.事業者登録税の申告・納税

 ライセンス取得後1ヶ月以内及び毎年、事業者登録税の申告・納税義務がございます。税額は資本金額(外資企業の場合は総投資額)により1,000,000~3,000,000VNDの範囲内で決定されます。なお、ライセンス取得が7月以降の場合には、初回の申告・納税額は通常の半額となります。

申告が遅延した場合は、400,000~5,000,000VNDの範囲内で罰金が課せられます。さらに、 90日以上遅延する場合は税務署の裁量で罰金額を決定できるとされています。また、納税が遅延した場合には延滞税が発生しますのでご留意ください。(申告額に対して0.05%/日、90日を超える場合、91日以降分は0.07%/日)

 

4.TOKEN購入

ホーチミンをはじめ一部の地域では電子申告が義務付けられておりますので、TOKEN購入が必須となります。また、紙の書類による税務署での手続が不要となるため、使用義務が無い場合でもご利用をお奨めいたします。

料金は現状3年間の利用で概ね2,000,000VND~3,000,000VND程度となっております。

 

5.レッドインボイスの発行許可申請

 レッドインボイスを発行するには税務署への申請が必要となります。申請書を提出後に、まず税務職員による会社の所在確認が行われます。その後、審査期間を経てレッドインボイスの発行許可の通知受領となります。申請から許可まで3週間~2か月程度と時間がかかる場合もございますのでご注意願います。

 以上設立後セットアップ期に必要な手続、検討事項について簡単にご説明してまいりました。意思決定が多岐に渡るため、設立後のセットアップをスムーズに進めるためにも、適宜専門家への相談・アウトソースされることをお奨めいたします。

石川幸

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