〈写真:イメージ画像〉
ベトナム農業環境省が10月9日に公表した2025年版の気候変動シナリオによると、温室効果ガスの排出量が多い場合、今世紀末には最高気温35℃を超える日数がホーチミン市中心部で年間90〜100日、ハノイ市中心部で50〜90日増える可能性がある。
予測は1995〜2014年を基準としており、両都市では平均気温の上昇に加え、猛暑日の増加や熱波の長期化が進み、特に中心市街地で影響が大きくなるとされる。
高排出シナリオでは、今世紀半ばまでに35℃を超える日数がハノイ市中心部で年間30〜70日、ホーチミン市中心部で35〜70日増加すると予測されている。
今世紀末の増加幅はさらに拡大し、市全体の平均でもハノイ市で25〜65日、ホーチミン市で30〜50日増える見通しである。
基準期間における35℃超の日数は、ハノイ市で年間平均35日、ホーチミン市で70日となっている。
平均気温も大幅に上昇し、今世紀末には市全体でハノイ市が3〜3.4℃、ホーチミン市が3〜3.1℃上昇する一方、中心部ではそれぞれ3.6〜4.2℃、3.5〜3.7℃上昇すると予測されている。
また、最高気温35℃超の熱波が1回当たりに続く期間も長期化し、今世紀末にはハノイ市中心部で15〜22日、ホーチミン市中心部で20〜24日延びる可能性がある。
都市中心部で気温上昇が大きい背景には、地球規模の気候変動に加え、建物の密集やコンクリート、アスファルト舗装の多さ、緑地の少なさによって熱が蓄積する「ヒートアイランド現象」がある。
気象研究センターのチュオン・バー・キエン副所長は、現在の気候変動シナリオに基づけば、今世紀半ばから末にかけてベトナムでは冬がなくなるとの見方も示した。
さらに、高温や湿度、日射、風などが重なり、人体に強い負担がかかる熱ストレスの危険性が高い日数も、今世紀末にはハノイ市中心部で最大80日、ホーチミン市中心部で100日増える可能性が指摘されている。
こうした予測を受け、専門家は医療機関による猛暑への対応体制の整備や、農業分野での作物品種・栽培時期の見直しなど、気候変動に適応するための対策が必要だと指摘している。
また、都市計画やインフラ投資においても極端な高温のリスクを考慮し、特に暑さの影響を受けやすい住民への支援を優先するなど、災害発生後の対応にとどまらない長期的な備えが求められるとしている。
ベトナムでは2009年から気候変動シナリオを策定し、原則5年ごとに更新しており、各省庁や地方自治体が経済・社会開発計画や気候変動対策を策定する際の重要な科学的根拠として活用されている。







































