〈写真:イメージ画像〉
ベトナムのタインホア省スアンホア社にあるミア村では、約600年の歴史を持ち、かつて王に献上されたと伝わる伝統菓子「バインガイ・トゥーチュー」が作り続けられている。
黒くもちもちした皮と緑豆餡、乾燥させたバナナの葉の香りが特徴で、ラムキン史跡を訪れる観光客にも人気の土産品となっている。
この菓子は「ミア村のバインガイ」とも呼ばれ、地元の古老によると、製法は約600年前の後黎朝時代に始まったとされる。
伝承では、王への献上品のほか、レー王の命日の祭礼や旧正月、村の祭りなどにも使われていたという。
当初は村内で消費されていたが、1940年代に住民がトゥーチュー地区の通りで販売を始めたことから、現在の名称が広まった。
主な原料はカラムシの葉、もち米、サトウキビの蜜、緑豆、ココナツ、ゴマなどで、カラムシの葉と蜜が皮の独特な色や風味を生み出している。
製造では、硬い葉脈などを取り除いたカラムシの葉を十分にゆで、細かくすりつぶした後、もち米粉と蜜を加えて丁寧に練り上げる。
餡には蒸してつぶした緑豆に砂糖、刻んだココナツ、いりゴマを混ぜ、各家庭に伝わる配合で香ばしさとコクを引き出す。
薄く広げた生地で餡を包み、柔らかく処理した乾燥バナナの葉を何重にも巻いて四角く整え、蒸し上げる。
乾燥バナナの葉は形を保つ役割だけでなく、菓子に独特の香りを加える重要な材料となっている。
蒸し上がった菓子は黒くつやのある柔らかな皮に黄色い緑豆餡が包まれ、サトウキビの蜜の優しい甘さとココナツ、ゴマの風味が楽しめる。
完成後は粗熱を取り、通常5個ずつ束ねて竹製のひもで結ぶ。
ベトナム各地にもバインガイは存在するが、トゥーチューのものは緑豆、ココナツ、ゴマを使った餡と、茶色い乾燥バナナの葉による四角い包装が特徴である。
現在は伝統的な家内製造が受け継がれる一方、粉砕や生地の混合、蒸し工程に機械を導入する工房もあり、一部の商品は地域特産品を評価するOCOP認証で3〜4つ星を取得している。
ラムキン歴史遺跡の近くに位置するミア村は、伝統菓子の製造工程を見学し、その味を楽しめる観光スポットとしても知られるようになっている。








































