<写真:イメージ画像>
定時退社しただけで「熱意不足」と評価されることを恐れ、業務を終えても上司が帰るまで職場に残る社員が少なくない実態が、ベトナムで議論を呼んでいる。
実際には仕事をしていないにもかかわらず、勤務しているように振る舞う「プレゼンティーイズム(見せかけの出勤)」が、生産性や人材確保に悪影響を及ぼすとの指摘も出ている。
ホーチミン市の民間企業で働く30代女性は、定時の午後5時30分までに業務を終えても、午後7時半頃まで残業するか、上司が退社するまで帰宅できないという。
2年前の人事評価では、同僚より早く帰宅していたことが「熱意不足」と判断され、評価や賞与額に影響したと説明を受けた。
ハノイのIT企業に勤める男性も、定時退社を理由に昇給を見送られた後、退社時刻を遅らせるよう働き方を変えたとしている。
SNSでは「定時退社」を巡る投稿が大きな反響を集め、定時で帰ることを職業人として当然とみる意見と、遅くまで職場に残る姿勢を献身性の表れと評価する意見に分かれている。
地元メディアの調査では、企業の13%が社員の評価に在社時間を反映し、業務を終えても「評価を気にして」遅くまで会社に残る人も13%存在するという。
一方、専門家は、成果を適切に測るKPIが整備されていない企業では、勤務時間の長さが貢献度の代替指標になりやすいと指摘する。
さらに、管理職には部下を常に視界に置きたい心理があり、社員側にも対立や低評価を避けたい意識があることが、この慣行を支えていると分析した。
東アジア企業との交流拡大によって、上下関係や集団への同調を重視する職場文化が広がったことも背景の一つとされる。
専門家は、形式的な残業文化は短期的な安心感を与えても、長期的には意欲の低下や離職率の上昇、優秀な人材の流出につながると警鐘を鳴らす。
企業には成果を基準とする透明な評価制度への転換を、社員には業務の進捗を共有しながら適切な働き方を確立することを求めている。
実際に成果ベースの管理へ切り替えた管理職からは、定時後に職場へ残ること自体は業務効率の向上につながらなかったとの声も上がっている。







































