〈写真:イメージ画像〉
ベトナムで、漫画「ドラえもん」の作者、故藤子・F・不二雄氏が設立に携わった教育支援基金が30周年を迎え、これまでに1万4794件、総額約115億ドン(約7000万円)の奨学金を支給した。
10月28日に開かれた設立30周年記念式典では、紅河デルタ地方と北部山岳地帯の8省・市の小中学生を対象とした2026年の奨学金授与も行われた。
同基金は1996年、藤子氏と小学館が提供した「ドラえもん」の著作権料10億ドン(約610万円)に、ベトナムのキムドン出版社の拠出金を加えて設立されたもので、現在は「スマートロボットキャット奨学金基金」に改称されている。
「ドラえもん」は1992年末にベトナムで初めて出版され、1993〜1995年にかけて主要作品が相次いで刊行され、現地の子供たちから大きな人気を集めた。
当時、ベトナムは国際的な著作権条約に加盟していなかったが、キムドン出版社は藤子氏と小学館に対して10億ドンの著作権料の支払いを申し出ており、藤子氏らはその全額をベトナムの子供たちの教育支援に充てることに同意した。
藤子氏は1996年、小学館の代表者とともにベトナムを訪れて基金設立に立ち会い、当時のグエン・カイン副首相と面会したほか、ベトナム文化情報省から文化事業への貢献をたたえるメダルを授与された。
記念式典では、藤子氏の次女である勝又日子さんが、30年前に父親とともにベトナムを訪問した際の思い出を語った。
当時の藤子氏は病気を抱えて体調が優れず、漫画の創作活動も大幅に減らしていたが、それでもベトナム訪問を決断し、基金設立の調印式後には現地の児童施設を訪れたという。
勝又さんは、子供たちに囲まれながら話に耳を傾け、穏やかな笑顔を見せる父親の姿が、普段の家庭での様子とは異なっていたと振り返り、その笑顔が30年経った今も心に残っていると語った。
藤子氏はベトナム訪問から約8カ月後に死去しており、ドラえもん基金の設立は、生前最後期に本人が直接関わった重要な活動の1つとなった。
基金の設立と運営には、キムドン出版社の元社長で共同設立者のグエン・タン・ヴー氏も貢献しており、2010年には個人として10億ドン(約610万円)を寄付した。
現在、基金の元本は50億ドン(約3100万円)に達しており、設立から30年間にわたりベトナムの子供たちへの教育支援を続けている。








































