〈写真:イメージ画像〉
ベトナム北部で季節の変わり目に伴いA型インフルエンザの感染が拡大しており、ハノイ市の国立小児病院では過去5週間で感染確認例が7倍以上に増え、入院する子どもも18人から124人に急増した。
医師らは、高熱やせきなどの一般的な症状だけでなく、けいれんや意識障害を伴う重い合併症が発生しているとして、早期受診を呼びかけている。
10月12日には、41℃の高熱が解熱剤を服用しても下がらず、たんを伴うせきや強い鼻づまりが続いた10歳の男児が同病院を受診し、検査でA型インフルエンザと診断された。
インフルエンザは年間を通じて発生するが、気温や湿度が変化する秋から冬、冬から春にかけて感染が広がりやすく、学校や家庭など人が集まる環境では特に注意が必要である。
同病院の集中治療科に所属するレー・ニャット・クオン医師によると、多くの子どもは治療によって回復する一方、一部では肺炎や心筋炎、脳炎、呼吸不全、多臓器障害などに進行し、集中治療を受けても救命できないケースが発生している。
特に警戒が必要なのが、インフルエンザなどのウイルス感染後に発症することがある「急性壊死性脳症(ANE)」で、まれではあるものの命に関わる重篤な神経系の合併症である。
発熱やせきなどの症状が現れてから数日以内に急激に悪化し、突然の意識障害やけいれん、昏睡などを引き起こすことがあり、特に2〜5歳の幼児で多くみられる。
医師は、発熱中の子どもにけいれんが起きた場合、単なる熱性けいれんと決めつけず、呼吸器症状や意識の変化を伴う際には速やかに医療機関を受診するよう警告している。
感染拡大の影響は高齢者にも及んでおり、バックマイ病院や108軍中央病院、中央熱帯病病院などでも、A型インフルエンザ患者が前月までと比べて増加している。
中央熱帯病病院では、高血圧と脳卒中の既往歴がある72歳の女性がA型インフルエンザによる重い肺炎と呼吸不全で入院し、治療開始から3日後に解熱したものの、肺の状態が改善せず、引き続き非侵襲的人工呼吸による治療を受けている。
また、長年の喫煙歴があり、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う73歳の男性も、A型インフルエンザ感染後に急速に呼吸機能が悪化し、気管挿管による集中治療を受けたが、全身に深刻な異常が現れている。
医師らは、インフルエンザの重症度が必ずしも体温の高さに比例するわけではなく、微熱でも深刻な肺障害が生じる場合があるとして、特に慢性呼吸器疾患のある人は呼吸状態の変化に注意する必要があると指摘している。
保健省も10月上旬、感染症監視システムのデータから季節性インフルエンザの患者数が増加傾向にあるとし、手洗いやせきエチケット、室内の換気を徹底するとともに、感染者は他人との濃厚接触を控えるよう呼びかけた。
乳幼児や高齢者、基礎疾患のある人は疑わしい症状が現れた段階で早めに受診し、医師の指示なく抗生物質などを使用しないことが重要である。
息苦しさや呼吸の速まり、胸の痛み、意識障害などが現れた場合は直ちに医療機関を受診し、子どもについては胸がへこむような呼吸、強い眠気、けいれん、水分を飲めない状態や脱水症状にも注意が必要である。






































