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ベトナムで仕事のストレスや長時間労働による不眠に悩む若者の間で、メラトニンを含む「睡眠グミ」の使用が広がっており、自己判断による常用や過剰摂取に医師が警鐘を鳴らしている。
睡眠グミは一般的な菓子ではなく、睡眠と覚醒のリズムを調整するメラトニンなどを含むサプリメントで、電子商取引サイトやSNSでは菓子のようなパッケージの商品が多数販売されている。
マーケティングの仕事に従事するAさんは、深夜まで業務に追われる生活が続き、1粒当たり5mgのメラトニンを含むグミを毎晩2粒摂取する習慣を約1カ月続けている。
フリーランスのグラフィックデザイナーであるBさんも、1日12〜14時間のパソコン作業による不眠に悩み、睡眠グミを使用しているが、過去3カ月で摂取量が1晩1粒から3粒に増え、現在は3粒飲んでも眠れないという。
調査会社Wakefield Researchの調査では、ベトナムの若者の約37%が不眠を経験し、73%が睡眠障害によるストレスを抱えているほか、79%が日常的に十分な休息時間を確保できていないと回答した。
心理学博士のカオ・チャン・タイン・チュン氏は、仕事の締め切りや成果目標、夜間の業務連絡などが就寝後も精神的な負担となり、身体は休息を求めていても脳が仕事から離れられない状態にあると指摘する。
特に若い労働者の間では、勤務時間外に電話を切ることで仕事への意欲が低いと評価されたり、解雇の対象になったりすることへの不安が、不眠の根本的な原因になっているという。
ホーチミン市医科薬科大学病院第3施設のグエン・ラム・トゥイ・アン医師によると、メラトニンは本来、暗くなると脳の松果体から分泌され、体内時計を調整するホルモンであるが、サプリメントとして使用する場合も安全な用量や使用期間を守る必要がある。
英国の国民保健サービス(NHS)は成人のメラトニン使用期間を原則最長13週間とし、それ以上の使用には医師の指示が必要としている。
アン医師は、自己判断で1日5〜10mgを超える量に増やしても睡眠改善効果が高まるわけではなく、日中の眠気や頭痛、体内時計の乱れなどの副作用が増えると説明している。
また、長期間にわたる無計画な使用は、月経周期や血糖値、血圧への影響、心理的な依存につながる可能性があり、うつ病や不安障害、睡眠時無呼吸症候群など、不眠の原因となる病気の発見を遅らせるおそれもあるという。
同医師は、不眠が続く場合はストレスや交代勤務、刺激物の摂取、基礎疾患などの原因を医療機関で確認することが重要であり、メラトニンが必要な場合も0.5〜1mgの低用量から短期間使用するよう勧めている。
慢性的な不眠に対しては、米国睡眠医学会(AASM)が認知行動療法(CBT-I)を第一選択として推奨しており、就寝・起床時刻を一定に保つことや、就寝前のブルーライト、カフェイン、アルコールを避けることなども重要とされる。
さらに、アン医師は労働者自身が業務量について上司と話し合うとともに、企業側も休息時間を尊重し、適切な業務配分や心理的な支援体制を整える必要があると指摘している。
燃え尽き症候群とうつ病は異なる状態であり、それぞれに適切な診断と治療が必要であるとして、精神的な不調が長期化する場合は専門家に相談するよう呼びかけている。








































