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ベトナムで人工知能(AI)の普及が進む中、障害者がデジタル技能の不足や採用環境の問題によって労働市場から取り残され、雇用格差が拡大する懸念が指摘されている。
RMIT大学の支援を受けた研究プロジェクト「E-prodigy」が2026年に公表した報告書によると、AIによる業務の自動化は単純作業だけでなく事務職にも広がっており、特に反復的な業務に従事する労働者が大きな影響を受ける可能性がある。
ベトナムには700万人以上の障害者がいるが、多くの人が職業教育や支援技術、デジタル技能研修を十分に利用できておらず、企業が求める技術力や適応力との間に隔たりが生じている。
ダナン市の企業76社を対象とした調査では、91%が教育・訓練機関と正式な連携関係を持たず、半数以上が採用条件を満たす人材の確保に苦労していることが明らかになった。
さらに、42%の企業が障害者に対応した施設環境を整備できておらず、31%は障害者雇用に関する法規制を十分に理解していなかった。
障害者の採用に前向きな企業がある一方、必要な技能を持つ人材の不足や職場のバリアフリー化の遅れが、実際の雇用を妨げている。
また、企業がAIを利用した履歴書の選別や採用評価を導入した場合、支援技術を使用する人や一般的な基準とは異なる方法で意思疎通する人が、選考過程で不利になる恐れもある。
こうした問題は就職だけでなく、障害者の昇進や技能向上、転職の機会にも影響を及ぼすと指摘されている。
研究チームは対策として、企業と教育機関の連携を強化し、障害者がITやグラフィックデザイン、AIを活用する業務に必要な技能を習得できる職業訓練の拡充を提案している。
企業による施設改修を支援する少額の補助金制度も提案しており、通路やトイレのバリアフリー化、専用設備の導入などを通じて障害者を受け入れやすい職場環境を整える必要があるとしている。
教育面では、障害の種類に応じた柔軟な学習プログラムや遠隔教育の導入に加え、家族や地方自治体、教育機関の協力を強化することが重要とされ、サービス業やデジタル分野でのインターンシップ、試用就労の拡充も求められている。
ダナン市ではすでに企業や教育機関、障害者団体が協力してAI活用などの研修を実施しており、参加者からは新しい仕事に挑戦する自信や自立につながったとの声も上がっている。
研究チームの一員であるRMIT大学のチャン・グエット・クエ博士は、AIが障害者に与える影響は技術の設計や導入方法によって大きく変わると指摘し、開発段階から障害者の利用を考慮することで、情報へのアクセスや学習、就労を支援する手段になり得るとの見方を示した。






































