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ベトナムの企業で人工知能(AI)の導入による人員削減や業務効率化が進む一方、AIが生成した資料の誤りを確認・修正する管理職の負担が増加しており、「AIによる業務のごみ」と呼ばれる問題が浮き彫りとなっている。
あるメディア企業では、約1年前にAI導入に伴って従業員が半減した一方、記事の制作量は4倍に増加し、従来は1日10本だった原稿確認が40本に達している。
AIで作成した文章は一見すると自然だが、内容や数値に誤りが含まれることがあり、1本につき5〜10分かけて原資料と照合する必要があるため、責任者は毎日3〜4時間の追加作業が発生し、夜間も自宅で仕事を続けている。
2025年末には、従業員がAIで作成した広告原稿に異なる2車種の技術仕様が混在し、会社が賠償を負ったうえ、契約金額の30%を失う事態が発生した。
同企業では一時的にAIの使用を禁止したものの、業務の進行が滞ったため、わずか1週間で禁止を解除せざるを得なかった。
同様の問題は他の企業でも発生しており、Geminiによる翻訳・要約で重要事項が抜け落ちたり、ChatGPTが追加した架空の数値を含む市場調査報告書が提出されることもあるため、責任者が原文や数値の確認に多くの時間を費やしている。
こうした現象は「workslop(ワークスロップ)」と呼ばれ、見た目は完成していても内容が不十分だったり、誤情報を含んでいたりするAI生成物を指す。
2025年末にHarvard Business Reviewで公表された米国の労働者1000人以上を対象とする調査では、40%が過去1カ月にこうしたAI生成物を受け取った経験があり、その対応に勤務時間の15%を費やしていたほか、42%が同僚への信頼を失い、53%がストレスや不満を感じていた。
また、9月23日にホーチミン市で開催された「Vietnam AI Productivity Activation」で公表されたデータによると、AIによって週11〜13時間の作業時間を削減できる一方、データの準備や生成結果の修正・確認に週6.4時間を費やしていた。
さらに、Glean's Work AI Instituteが米国などの大学と共同で実施した調査では、従業員の69%がAI生成物を確認せずにそのまま提出した経験があると回答している。
広告業務に従事するある人物も、2025年の人員削減後に業務量が倍増したため、納期遅延による罰金を避けようと、AIで大量の広告用原稿を作成して提出していると明かした。
AI研修企業は、こうした問題の背景として、従業員のAI操作スキル不足や無料版ツールの機能制限に加え、業務過多や怠慢によって生成結果の確認を省略するケースがあると指摘している。
AIの使用を全面禁止する企業もあるが、従業員が私用の通信回線や自宅で利用できるため実効性は低く、使用禁止よりも適切な研修、業務上の責任の明確化、情報セキュリティー基準の整備が重要であるという。
あるソフトウエア・AI企業の経営者も、質の低い報告書が提出された場合、管理職が修正を肩代わりせず、従業員本人に差し戻して確認させるべきだと指摘している。
一方、月給1000万ドン(約6万1000円)の従業員が月額50万〜100万ドン(約3100〜6100円)の有料AIサービスを自己負担することは難しく、企業側によるツールへの投資や教育も必要だとしている。
AIを効果的に活用するには、生成結果を鵜呑みにせず、利用者自身が内容を検証し、最終的な成果物に責任を持つ姿勢が不可欠であると専門家らは強調している。








































