〈写真:イメージ画像〉
ベトナムのグエン朝宮廷文化に由来する伝統的な傘「ロン・ブオム(蝶傘)」を現代風にアレンジし、その魅力を国内外に広めようとする若手女性の活動が注目を集めている。
ハノイ市出身のチャン・ティ・ゴック・トゥーさん(1996年生まれ)は、2024年末に年下のきょうだい2人とブランド「Tường Vân Quán」を立ち上げ、伝統文化を取り入れた傘の制作・販売を始めた。
活動のきっかけは、自分用に制作したロン・ブオムをテト(旧正月)に持ち歩いたところ、多くの人から称賛された一方、日本や中国の傘と間違われたことであった。
トゥーさんは、ベトナム独自の伝統文化を正しく知ってもらいたいと考え、本格的な制作活動に取り組むようになった。
同ブランドの商品は歴史資料から着想を得たもので、当時の実物を忠実に復元したものではなく、現代の装飾需要や手作業による生産に合わせてデザインを調整している。
当初は黒を基調とした傘が中心だったが、現在は色彩や模様のバリエーションを増やし、伝統的な美しさを残しながら現代の好みに合う商品を展開している。
主な素材は紙と布の2種類で、軽く加工しやすい紙製と、耐久性が高く水の影響を受けにくい布製があり、模様の手描きやひもの編み込みなどを職人が手作業で仕上げている。
価格は1本22万〜24万ドン(約1300〜1500円)で、10〜20本の製作にはデザインや注文内容に応じて4〜5日を要する。
販売や情報発信は主にSNSを通じて行っており、ベトナムの伝統文化に関心を持つ若者を中心に支持を広げ、国内だけでなく海外からの注文にも対応している。
トゥーさんは、伝統的な工芸品に新しい表現を取り入れることは、その価値を失わせるものではなく、若い世代が文化的背景に関心を持つきっかけになると考えている。
現在はグエン朝に由来する羽根飾りの帽子や扇子などの開発も進めており、2027年にはヤギをモチーフにした新しい傘の制作も計画している。
トゥーさんは、こうした商品を通じて、より多くの人がベトナムの伝統文化に興味を持ち、その魅力や価値を理解することを期待している。







































