ベトナムの日系幼稚園事情|日系・インター・現地園の違いと選び方
目次
ベトナムで子どもの幼稚園を探す際、日本人家庭の有力な選択肢になるのが日系幼稚園です。
日本語で過ごせる環境や日本の行事、生活習慣に触れやすいことは大きな魅力ですが、「日系ならどの園でも同じ」というわけではありません。使用言語、教育方針、対象年齢、年度、送迎、給食、安全管理などは園によって異なります。
この記事では、2026年9月時点で確認できる制度・公開情報をもとに、ベトナムの日系幼稚園の特徴と、インターナショナル園・現地園などとの違い、園選びで確認したいポイントを整理します。
この記事のポイント
- ベトナムの日系幼稚園の特徴がわかる
- 日系・インター・現地園などの違いを比較できる
- 帰国予定や進学先から園を選ぶ考え方がわかる
- 送迎・給食・費用・安全面の確認ポイントがわかる
- ハノイ・ホーチミンの具体的な園探しへ進める
「日系」「インター」などは園選びのための便宜的な分類です
ベトナムの教育法上、「日系幼稚園」という独立した学校種が定められているわけではありません。園名や「日本式」という表現だけで判断せず、現地での認可、運営主体、使用言語、カリキュラムなどを各園へ確認しましょう。
結論|園名より「進学先・言語・通園」を先に決めよう
ベトナムで幼稚園を選ぶ時は、最初から園名を比較するよりも、家庭で何を優先するのかを決めておくと選びやすくなります。
| 重視すること | 候補になりやすい園 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 数年以内に日本へ帰国する | 日系・日本語環境のある園 | 日本語での集団生活、日本の行事、帰国後の進学とのつながり |
| 英語環境を重視する | インターナショナル園 | カリキュラム、教師体制、進学先、英語以外の言語環境 |
| 日本語と英語の両方に触れたい | バイリンガル園・日本式教育を取り入れる園 | 実際の日本語・英語使用時間と担当教師 |
| ベトナム語や現地社会に慣れたい | 現地園・バイリンガル園 | 保護者との連絡言語、カリキュラム、進学先 |
帰国予定があるから必ず日系園、長期滞在だから必ずインターというわけではありません。子どもの性格やこれまでの言語環境、きょうだいの学校、自宅からの距離も含めて考えましょう。
ベトナムの幼児教育制度
ベトナムの教育法では、就学前教育は3か月から6歳までの子どもを対象としています。
| 法令上の区分 | 主な対象年齢 |
|---|---|
| Nhà trẻ | 3か月〜3歳 |
| Trường mẫu giáo | 3歳〜6歳 |
| Trường mầm non | 3か月〜6歳 |
また、ベトナムの小学校1年生の標準入学年齢は6歳です。
制度の根拠はベトナム教育法(Luật Giáo dục 43/2019/QH14)です。実際の受け入れ年齢は各園が設定するため、法令上の年齢区分と各園の募集年齢は必ずしも同じではありません。
日系幼稚園の特徴

日系幼稚園を選ぶ日本人家庭にとって大きなメリットになるのが、日本語や日本文化に触れながら集団生活を送れることです。
園によって内容は異なりますが、日本の歌や季節行事、挨拶、片付け、食事など、日本の生活文化を意識した保育を取り入れている園があります。
海外生活が長くなると、家庭以外で日本語を使う時間が少なくなることもあります。そのため、日中に日本語で友達や先生と関われる環境を重視する家庭にとって、日系園は有力な選択肢になります。
日本語環境
家庭以外でも日本語を聞き、話す時間を確保しやすいことが特徴です。ただし、日本語を使う時間や日本人教員の人数は園ごとに確認しましょう。
日本文化・生活習慣
季節行事、挨拶、集団活動などを通じ、日本の文化や生活習慣に触れられる園があります。
帰国後を考えやすい
日本への帰国予定がある家庭では、日本語での集団生活を継続できる点が園選びの判断材料になります。
園ごとの差が大きい
「日系」という名称だけでは教育内容は判断できません。自由保育、知育、モンテッソーリ、英語教育など特色はさまざまです。
日系・インター・現地園の違い
日本人家庭がベトナムで検討する幼児教育施設には、大きく分けて日系・日本語中心の園、インターナショナル園、バイリンガル園、現地園などがあります。
| タイプ | 主な言語 | 特徴 | 向いている家庭 |
|---|---|---|---|
| 日系・日本語中心 | 日本語中心または日本語を重視 | 日本文化、日本式の生活習慣、行事を取り入れる園がある | 日本語環境や帰国後の生活を重視する家庭 |
| インターナショナル | 英語中心など | 国際カリキュラムや多国籍な環境を持つ園が多い | 英語環境やインター校への進学を重視する家庭 |
| バイリンガル・日本式併用 | 英語・日本語・ベトナム語など | 複数言語や複数の教育スタイルを取り入れる | 日本語と他言語の両立を考えたい家庭 |
| 現地園 | ベトナム語中心 | ベトナムの教育・生活環境に触れやすい | 長期滞在やベトナム語環境を重視する家庭 |
費用については「日系は高い」「現地園は安い」と一律には判断できません。入園料、授業料、施設費、教材費、給食費、バス代、制服代、長期休暇中の保育費などを含めた年間総額で比較しましょう。
ハノイ・ホーチミンの具体的な園は都市別記事で確認
ハノイとホーチミンでは、日本語環境や日本式教育を重視する幼稚園を選ぶことができます。
ただし、園名、募集年齢、空き状況、料金、送迎エリアなどは変わりやすいため、本記事では全国共通の選び方を中心に解説し、具体的な園情報は都市別記事で紹介します。
園選びで確認したいポイント
ウェブサイトやパンフレットだけで決めず、できる限り実際に見学して確認しましょう。
- 認可・運営主体:どのような認可・運営形態で運営されているか
- 使用言語:日本語・英語・ベトナム語をそれぞれどの程度使うか
- 教師体制:日本人教員や日本語対応スタッフの人数・担当時間
- 教育方針:自由遊び、集団活動、知育、運動、英語など何を重視しているか
- 対象年齢:何歳何か月から受け入れるか
- 保育時間:通常保育、延長保育、長期休暇中の保育
- 費用:授業料以外の入園料、施設費、教材費、給食、バス代など
- 進学先:卒園後に日本人学校、インター校、現地校のどこへ進む家庭が多いか
通園・給食・安全面も重要

送迎バスと通園時間
ハノイ・ホーチミンでは交通渋滞の影響を受けるため、自宅からの距離だけでなく実際の通園時間も確認したいポイントです。
スクールバスを利用する場合は、ルート、乗車時間、添乗スタッフ、遅延時の連絡方法、乗降場所などを確認しましょう。
給食とアレルギー
日本食中心か、ベトナム料理・多国籍メニューを取り入れているかなど、給食内容は園によって異なります。
食物アレルギーがある場合は、対応可能なアレルゲン、調理場での管理、緊急時の対応方法まで事前に確認しましょう。
病気・けが・緊急時の対応
発熱した場合の連絡基準、保健スタッフの有無、提携医療機関、けがをした場合の連絡方法、災害や火災時の避難方法なども見学時に確認しておくと安心です。
入園手続き|4月始まりと決めつけない

日系幼稚園には日本と同じ4月を年度の区切りとする園もありますが、すべての園が同じではありません。インターナショナル園や現地園を含め、年度、募集時期、途中入園の扱いは園ごとに確認してください。
- 家庭の優先順位を決める
帰国時期、進学先、日本語・英語環境、通園可能なエリアを整理します。
- 候補を複数選ぶ
1園だけで決めず、教育方針や通園距離の異なる園を比較しましょう。
- 問い合わせ・見学をする
空き状況、対象年齢、見学可能日、送迎範囲などを確認します。
- 費用と規約を確認する
授業料だけでなく、入園料や退園時の返金規定、長期休暇中の扱いまで確認します。
- 必要書類を提出する
必要書類は園によって異なります。パスポート、滞在関係書類、健康情報などの提出を求められる場合があるため、各園の最新案内に従ってください。
見学時に聞いておきたい質問
- 1日の中で日本語を使う時間はどのくらいですか?
- 日本人教員・日本語対応スタッフはどのような体制ですか?
- クラスの園児数と先生の人数は何人ですか?
- 送迎バスのルートと平均乗車時間はどのくらいですか?
- 給食とアレルギー対応はどうなっていますか?
- 病気やけがをした時の連絡・医療対応はどうなっていますか?
- 長期休暇中の保育はありますか?
- 途中入園・休園・退園は可能ですか?
- 授業料以外に年間でどのような費用がかかりますか?
- 卒園後はどのような学校へ進む家庭が多いですか?
日系幼稚園が向いている家庭
日本への帰国予定がある
日本語での集団生活や日本の生活習慣を継続したい家庭では有力な候補です。
家庭外でも日本語を使わせたい
海外生活で日本語を使う時間が限られる家庭では、日本語環境を確保しやすくなります。
日本文化に触れさせたい
日本の季節行事や歌、生活習慣などを重視する家庭と相性があります。
保護者も日本語で相談したい
園との連絡や教育相談を日本語で行いたい場合は、日本語対応体制を確認して選びましょう。
インターナショナル園も比較した方がよい家庭
英語教育を重視する、海外生活が長期になる、将来インターナショナルスクールへの進学を考えている場合は、日系園だけでなくインターナショナル園も比較するとよいでしょう。
ただし「インター」という名称だけで教育内容を判断せず、採用しているカリキュラム、教師構成、使用言語、卒園後の進学先を確認することが重要です。
よくある質問
日系幼稚園とインター幼稚園はどちらがいいですか?
一律にどちらが良いとはいえません。日本への帰国時期、将来の進学先、家庭で使用している言語、子どもの性格などから選びましょう。
途中入園はできますか?
対応する園もありますが、空き状況や年度によって異なります。転勤時期が決まったら早めに問い合わせるのがおすすめです。
何歳から幼稚園に通えますか?
ベトナムの就学前教育制度自体は3か月から6歳を対象としていますが、実際の募集年齢は園によって異なります。1〜2歳台から受け入れる施設もあるため、各園の募集要項を確認してください。
日系幼稚園なら日本人の先生が必ずいますか?
園によって異なります。「日系」「日本式」という名称だけでは判断せず、日本人教員の人数、日本語を使う時間、日本語対応スタッフの体制を確認してください。
入園前に見学した方がいいですか?
可能であれば見学をおすすめします。教室や園庭だけでなく、先生と園児の関わり方、実際に使われている言語、送迎や安全管理まで確認できます。
まとめ
ベトナムの日系幼稚園は、日本語環境や日本文化を大切にしながら子育てをしたい日本人家庭にとって、有力な選択肢のひとつです。
一方で、「日系」という名称だけで教育内容や制度が決まるわけではありません。園によって使用言語、教育方針、対象年齢、保育時間、送迎、給食、費用、安全管理は大きく異なります。
園を探す際は、まず帰国予定・進学先・言語環境・通園距離を整理し、そのうえで複数の園を見学して比較すると選びやすくなります。
ハノイ・ホーチミンで具体的な幼稚園を探している方は、それぞれの都市別記事もあわせて確認してください。
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