ベトナムの教育事情|日本人学校・インター・幼稚園・高校進学
目次
ベトナムで子どもを育てるとき、学校選びは「日本人学校かインターナショナルスクールか」だけでは決められません。
子どもの年齢、住む都市、ベトナム滞在期間、日本への帰国予定、英語力、さらに中学・高校以降の進路まで考えて選ぶことが大切です。
この記事のポイント
- ホーチミンとハノイには小学部・中学部の日本人学校がある
- ダナンでは全日制日本人学校ではなく補習授業校や国際校が主な選択肢
- 幼児教育は日系幼稚園・インター系幼稚園などから比較できる
- 高校年代は国際校、日本式国際校、日本帰国などを早めに比較する
- 学校は「今通いやすいか」だけでなく、次の進学先まで考えて選ぶ
ベトナムの教育制度|小学校5年・中学校4年・高校3年
まず、ベトナムの現地教育制度を簡単に理解しておきましょう。
ベトナム教育訓練省が案内する普通教育は、小学校5年間、中学校4年間、高校3年間という構成です。
| 教育段階 | ベトナムの学年 | 標準的な開始年齢 |
|---|---|---|
| 幼児教育 | 就学前 | 乳幼児〜6歳 |
| 小学校 | 1〜5年生 | 6歳ごろ |
| 中学校 | 6〜9年生 | 11歳ごろ |
| 高校 | 10〜12年生 | 15歳ごろ |
ただし、日本人家庭の場合はこの現地校ルートに限らず、日本人学校、インターナショナルスクール、日系幼稚園、補習授業校などから教育環境を選ぶことになります。
日本人家庭が検討できる主な教育ルート
| 選択肢 | 主な対象 | 特徴 | 向いている家庭 |
|---|---|---|---|
| 日系幼稚園 | 未就学児 | 日本語や日本式の生活習慣を取り入れやすい | 日本帰国を予定している家庭 |
| 日本人学校 | 小学〜中学年代 | 日本の学習指導要領を基準に学びやすい | 日本の学習進度を維持したい家庭 |
| インターナショナルスクール | 幼児〜高校年代 | 英語中心。IB、Cambridge、英国式、米国式など学校差が大きい | 長期海外生活や海外大学進学を視野に入れる家庭 |
| 日本式国際校 | 幼児〜高校年代 | 日本式教育の考え方を取り入れながら国際課程等を学ぶ学校もある | 日本式教育と国際教育の両方を重視する家庭 |
| 補習授業校 | 義務教育年代中心 | 現地校やインターに通いながら日本語・日本の教科を補う | 全日制日本人学校がない地域などの家庭 |
| ベトナム現地校 | 幼児〜高校年代 | ベトナム語環境が基本。受け入れ条件は学校ごとに確認が必要 | 長期定住や現地環境への適応を重視する家庭 |
幼稚園|日系園とインター系園を比較

ホーチミンやハノイでは、日系幼稚園とインターナショナル系の幼児教育施設を比較できます。
日本語環境を重視するなら日系幼稚園
数年後に日本へ帰国する予定がある家庭では、日本語でのコミュニケーション、日本の生活習慣、集団生活への慣れやすさなどから日系幼稚園が候補になります。
一方、「日系」と呼ばれる園でも教育方針や英語教育の取り入れ方、送迎範囲、対象年齢などは異なります。
具体的な園選びは「ベトナムの日系幼稚園事情」で詳しく紹介しています。
英語環境を早く始めたいならインター系幼稚園
インターナショナルスクールには幼児部を設置している学校も多く、幼児期から英語環境へ入る選択肢があります。
ただし、学校によって教育理念や使用言語、卒業後の進路が異なるため、「インターだから同じ」と考えず、将来通う小学校まで想定して選ぶことが重要です。
小学校・中学校|ホーチミンとハノイには日本人学校がある

日本の教育課程をできるだけ継続したい家庭にとって、大きな選択肢になるのが日本人学校です。
ホーチミン日本人学校
ホーチミン日本人学校は、小学部1〜6年と中学部1〜3年を設置しています。
日本の学習指導要領を基準とした教育に加え、英会話や現地校との交流など、ベトナムで生活している環境を生かした教育も行われています。
入学・編入条件は事前確認を
日本人学校には就学資格や日本語力、編入時期などの条件があります。転居が決まったら、住居契約や渡航準備と並行して早めに学校へ確認しましょう。
学費や通学、編入条件などは「ホーチミン日本人学校の詳細ガイド」で確認できます。
ハノイ日本人学校
ハノイ日本人学校も小学部・中学部を設置しており、日本の小学校・中学校とほぼ同じ内容の授業を日本語で学べる学校です。
入学・編入には申請書類のほか、筆記試験、児童生徒面接、保護者面接などの審査があります。年度途中の編入審査日も設定されているため、渡航時期が決まった段階で確認しておくと安心です。
日本人学校とインターを比較したい方は「ハノイ日本人学校とインターナショナルスクールの選び方」も参考にしてください。
ダナンやその他の都市|補習授業校や国際校を検討
ホーチミン・ハノイ以外では、全日制の日本人学校が身近にない地域もあります。
ダナンでは、2026年度もダナン補習授業校の運営が確認されています。インターナショナルスクールや現地校に通いながら、日本語や日本の学習内容を補う選択肢になります。
補習授業校は全日制の日本人学校とは役割が異なります。授業日、対象学年、学習内容、教科書の扱いなどを確認してから検討しましょう。
勤務先や生活拠点を選べる家庭では、子どもの教育を理由にホーチミンやハノイへの居住を検討するケースもあります。特に小学校高学年以降は、高校進学まで含めて都市選びを考えることが重要です。
インターナショナルスクール|カリキュラムと進学先で選ぶ

ホーチミンとハノイには、幼児教育から高校年代まで対応するインターナショナルスクールが多数あります。
学校を比較するときに大切なのは、単純な知名度ではありません。
- IB、Cambridge、英国式、米国式など、どの課程を採用しているか
- 授業の中心言語は何か
- 英語を母語としない子どもへのサポートがあるか
- 年度途中の編入が可能か
- 高校卒業資格と大学進学先
- 日本帰国時にどのような進路を取りやすいか
- 授業料以外の施設費・バス代・給食費など
ベトナム全体の学費やカリキュラムの違いは「ベトナムのインターナショナルスクール事情と学費」で詳しく解説しています。
都市別に探す場合は「ハノイのインターナショナルスクール」と「ホーチミンのインターナショナルスクール」もあわせて確認してください。
JISは「日本人学校」とは別の選択肢
ハノイには日本国際学校(Japanese International School/JIS)があります。
名前が似ていますが、ハノイ日本人学校とは別の私立国際学校です。
JISでは日本式教育を取り入れた国際プログラムのほか、Cambridge Early YearsからPrimary、IGCSE、A LevelへつながるCambridge国際プログラムなどを展開しています。
そのため、ベトナムでの教育は「日本人学校か一般的なインターか」の二択だけではありません。
高校進学|日本人学校は中学までなので早めの設計が重要
ホーチミン日本人学校とハノイ日本人学校はいずれも小学部・中学部で、高等部はありません。
そのため、中学校卒業後も海外生活を続ける可能性がある家庭は、小学校高学年〜中学の段階から高校進学を考えておくと安心です。
| 高校年代の進路 | 特徴 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| ベトナムのインターナショナルスクール | IB、Cambridgeなどから海外大学進学を目指しやすい | 英語力、編入条件、卒業資格、学費 |
| JISなどの国際学校 | 日本式教育の要素を持つ学校も選択できる | 選択する教育プログラムと卒業後の進路 |
| 日本へ帰国 | 日本の高校受験・進学ルートへ戻る | 帰国時期、受験資格、内申や編入条件 |
| 日本の通信制・オンライン型高校 | 海外から学べる学校もある | 海外居住中の履修可否、スクーリング、卒業条件 |
日本の通信制高校等は、海外居住中の履修やスクーリングの条件が学校ごとに異なります。「海外から通える」と一括りにせず、希望校へ直接確認してください。
家庭タイプ別|学校選びの考え方
数年後に日本へ帰国予定
日系幼稚園や日本人学校を中心に、日本語と日本の学習進度を維持しやすい環境を優先すると帰国後の移行がしやすくなります。
長期海外生活を予定
インターナショナルスクールなどを中心に、高校卒業資格や大学進学先まで確認して選ぶことが重要です。
日本語と国際教育を両立したい
日本式教育を取り入れた国際学校や、インターに通いながら日本語教育を補う方法も比較できます。
ダナンなど日本人学校がない地域
インター・現地校と補習授業校を組み合わせる方法を検討し、将来の中学・高校進学まで考えておきましょう。
学校選びで確認したい8つのポイント
- 子どもの現在の日本語力・英語力
- ベトナムで暮らす予定年数
- 日本帰国の可能性と時期
- 高校・大学をどの国で考えているか
- 学校までの通学時間とスクールバス
- 授業料以外の施設費・給食費・バス代
- 年度途中の編入条件と学年暦
- 転校時に成績・履修内容をどう引き継げるか
特にホーチミンやハノイでは、渋滞によって通学時間が長くなることがあります。学校だけを先に決めず、住居との位置関係もセットで検討するのがおすすめです。
よくある質問
ベトナムには日本人学校がありますか?
はい。ホーチミンとハノイに全日制の日本人学校があり、いずれも小学部・中学部を設置しています。
ダナンに日本人学校はありますか?
ダナンでは全日制日本人学校ではなく、補習授業校が日本語・日本の学習を補う選択肢になります。インターナショナルスクールなどと組み合わせて検討する家庭もあります。
ベトナムで高校まで日本式教育を続けられますか?
ホーチミン日本人学校・ハノイ日本人学校には高等部がありません。一方、ハノイのJISのように高校年代まで対応する日本式教育を取り入れた国際学校もあります。日本帰国や国際校などを含めて比較する必要があります。
日本人学校とインターナショナルスクールはどちらがおすすめですか?
数年で日本へ戻る予定なら日本人学校が選びやすく、長期海外生活や海外大学進学を考える場合はインターナショナルスクールが候補になりやすいです。ただし、子どもの言語力や性格、将来の進路によって適切な学校は変わります。
まとめ
ベトナムでの子どもの教育は、住む都市と将来の進路によって最適な選択肢が変わります。
ホーチミンとハノイには小学部・中学部の日本人学校があり、日本の学習進度を維持したい家庭にとって大きな選択肢です。
一方、インターナショナルスクール、日本式教育を取り入れた国際学校、補習授業校、現地校など、教育環境は日本人学校だけではありません。
特に高校年代は日本人学校の高等部がないため、中学校卒業後にどの国・どの教育課程へ進むかを早めに考えておくことが重要です。
学校の知名度や学費だけではなく、子どもの言語力、滞在期間、通学、帰国予定、そして高校・大学までの進路を見ながら、家庭に合う教育環境を選びましょう。
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