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ベトナムのホーチミン市では、世帯月収が5000万ドン(約31万円)を超えても、低所得者向けの社会住宅は所得制限で購入できず、一般向けの分譲マンションは高額で手が届かないという問題が生じている。
こうした状況を受け、ホーチミン市不動産協会(HoREA)は、住宅法改正案に中低所得者の購買力に見合った価格の民間住宅を新たな住宅区分として盛り込むよう提案した。
ホーチミン市在住のある夫妻は、約7億ドン(約430万円)の貯蓄を元手に、第1子の誕生を控えて寝室2部屋のマンション購入を検討していたが、夫婦の収入が社会住宅の所得基準を超えているため、申請できないと説明された。
一方、市郊外の新築分譲マンションは1㎡当たり7000万ドン(約43万円)を超える物件が一般的となっており、60㎡の住戸でも価格は約40億ドン(約2400万円)に達する。
購入には銀行から30億ドン(約1800万円)以上を借り入れる必要があり、毎月の元利返済額は3000万〜3500万ドン(約18万〜21万円)に上るという。
夫妻の月収は合計5000万ドンを超えるものの、生活費や子育て費用を差し引くと余裕はなく、どちらか一方の収入が減少するだけで返済が困難になると懸念している。
ホーチミン市では、約38㎡の寝室1部屋の社会住宅が10億ドン近く(約610万円)で売り出されている例もあるが、所得条件を満たさなければ購入できない。
HoREAのレー・ホアン・チャウ会長は、これまで中低所得者が購入できる価格帯の住宅供給が十分に重視されてこなかったと指摘し、若手技術者や会社員など、実際に住宅を必要とする層が社会住宅と一般向け住宅の間で取り残されていると説明した。
同協会が提案する新たな住宅区分では、地方の販売価格を1㎡当たり2500万〜3000万ドン(約15万〜18万円)、大都市では6000万〜7000万ドン(約37万〜43万円)程度と想定している。
ただし、全国一律の価格基準を設けるのではなく、省・市の人民評議会が地域の経済状況に応じて対象条件や販売価格の上限、用地の確保、支援制度などを定める仕組みが必要だとしている。
また、住宅購入を前提とせず、労働者が長期にわたって安定した住環境を確保できるよう、手頃な価格の民間賃貸住宅も並行して整備するよう求めている。
一方、ホーチミン市の経済専門家は、大都市で想定される1㎡当たり6000万〜7000万ドンという価格では、60㎡の住戸が36億〜42億ドン(約2200万〜2600万円)となり、世帯月収4000万〜5000万ドン(約24万〜31万円)、さらには7000万ドン(約43万円)の家庭にとっても購入しやすい価格とは言い切れないと疑問を示した。
同専門家は、販売価格の抑制だけでは住宅購入の負担を十分に軽減できないとして、10〜15年間またはそれ以上の期間にわたり金利を固定する優遇住宅ローンの導入が必要だと指摘している。
さらに、開発事業者の参入を促すため、用地取得に向けた土地収用・補償手続きの優先化、事業認可期間の短縮、土地使用料の適正化などによって開発コストを引き下げる仕組みも求めている。
チャウ会長は、住宅政策を社会住宅の購入資格の有無だけで区分するのではなく、それぞれの所得層の購買力と実際の住宅需要に合わせて設計する必要があると強調している。









































