〈写真:イメージ画像〉
ホーチミン市のビンタイ市場やタンディン市場で外国人観光客が増加しているものの、実際に商品を購入する人は少なく、多くの商店主が売れ行きの低迷に苦しんでいる。
チョロン地区にあるビンタイ市場には、ニュージーランドやフランス、米国、中国、マレーシアなど各国から観光客が訪れており、管理委員会によると、1日平均約1000人が来場している。
土産物やバッグ、乾物などを扱う店舗には観光客が集まる一方、靴や生地、日用品を販売する店舗は閑散としており、営業していない売り場も目立つ。
同市場でバッグや手工芸品を販売する店舗の従業員によると、観光振興の取り組みが強化されて以降、来店客数は以前より約50%増加したが、増加しているのは主に外国人観光客で、国内客の数には大きな変化がないという。
別のバッグ販売店の女性は、新型コロナウイルス流行後に一時回復した購買需要が再び減少していると説明し、午前11時〜正午になっても最初の買い手が現れない日があるほか、以前は約10人いた常連の卸売客も現在は2〜3人に減ったと明かした。
ただし、閉鎖されている売り場の中には、商品を別の店舗に集約して倉庫として利用しているケースもあり、卸売取引は固定客や注文を通じて行われることも多い。
市場側は獅子舞や伝統工芸体験などの観光イベントに加え、キャッシュレス決済やオンライン販売の導入を進めているが、大型観光バスの乗降場所が十分に整備されていないことも課題となっている。
同様の状況はタンディン市場でも見られ、周辺地域の景観整備や、米誌Time Outが選ぶ2026年の「世界で最も魅力的な40地区」にタンディン地区が選出されたことなどを受け、外国人観光客が増加している。
同市場には1000以上の売り場があり、国内外から毎日数百人が訪れ、祝日や夜間の飲食エリアの利用客を含めると1000人を超えることもあるが、一部店舗が10〜30%の値引きを実施しても、観光客による消費は地元住民の需要を補う程度にとどまっている。
地元当局は外国人向けの国際カード決済や衛生・治安対策を強化するとともに、市場周辺のグエン・フー・カウ通りにある飲食エリアについて、10億ドン超(約610万円)の改修費用を見込んでいる。
旅行会社VinaGroup Travelの幹部は、韓国人や中国人は土産物や特産品、日本人は商品の品質や産地、欧米やオーストラリアの観光客は地域文化や手工芸品を重視する傾向があると指摘し、国籍ごとの購買需要に合わせた商品展開が必要だと説明した。
ホーチミン市にはコーヒーや茶、食品、漆器、竹細工など観光客向けに販売できる商品が豊富にあるものの、購入できる場所や商品の魅力について十分に情報が提供されていないことも課題とされている。
こうした状況を受け、ホーチミン市技術大学(HUTECH)のグエン・ティ・トゥー・ホア氏は、ブランド品の割引販売だけでなく、飲食や娯楽、地域文化の体験を組み合わせた大型アウトレット施設の整備を提案している。
同氏は、買い物への支出額に対して飲食や交通、宿泊などの関連サービスでさらに3〜4倍の支出が生まれる可能性があると試算し、買い物を目的とした観光の経済効果を指摘した。
一方、同市では特徴的な高級土産物の不足や価格と品質の不一致、国際水準の商業施設の不足に加え、観光ツアーにおける買い物時間の短さや、購入時の付加価値税(VAT)還付制度の活用不足などが課題となっている。
ロンタイン国際空港との接続を想定した大型商業施設については、空港から30〜45分程度でアクセスできる立地に加え、飲食、宿泊、娯楽、荷物預かり、早期チェックイン、免税手続きなどを組み合わせることが望ましいとの考えを示した。
同氏は、ベトナム産コーヒーや伝統工芸品などの体験型販売を取り入れたアウトレット施設の試験的な整備を提案しており、ホーチミン市が地域有数のショッピング観光地となるには、商品開発や価格競争力、交通アクセス、サービス品質を総合的に改善する必要があると指摘している。






































