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ベトナムでは、胎児や受精卵の性別選択によって年間4万人超の女児が出生していないとの推計があり、出生時の男女比は中国と並んで世界で最も偏りが大きい水準にある。
国連が2024年に公表した統計によると、ベトナムと中国では女児100人に対する男児の出生数が110人を超え、自然な出生性比とされる約105人を大きく上回っている。
ベトナム統計当局のデータでは、2024年の出生性比は女児100人に対して男児111.4人で、紅河デルタ地域では113.2人、北部の丘陵・山岳地域では115.3人と、地域によってさらに深刻な偏りが確認された。
また、0〜14歳の人口では女児100人に対して男児109.7人となっており、2024年の中間人口調査では結婚適齢期に当たる20〜39歳の男性が同年代の女性より約41万5200人多いことも明らかになった。
人口問題の専門家らは、この傾向が改善されなければ、結婚年齢にある男性の超過人口が2034年に約150万人、2059年には約180万人に達すると予測している。
こうした男女比の不均衡によって、男性が結婚相手を見つけにくくなり、晩婚化や生涯未婚の増加につながるほか、女性の人身売買や性暴力などの社会的リスクが高まることも懸念されている。
ホーチミン市生殖内分泌・不妊学会のホー・マイン・トゥオン事務局長は、2019年の研究結果などを紹介し、ベトナムでは年間4万人超の女児が性別選択によって出生に至っていないとの推計を示した。
その要因として、妊娠中に胎児の性別が判明した後の人工妊娠中絶や、体外受精で女性の受精卵を除外し、男性の受精卵だけを選ぶ行為がある可能性を指摘している。
同医師によると、不妊治療が必要ないにもかかわらず、希望する性別の子どもを授かる目的で生殖補助医療施設を訪れる夫婦がおり、不妊治療を受ける際にも受精卵の性別選択を求めるケースがあるという。
こうした行為は北部で特に多くみられるが、最近では南部でも確認されており、一部の新設された体外受精施設では患者数や収益を増やすための競争が背景にあると指摘した。
性別選択の背景には、男児を重視する伝統的な価値観もあるとされ、ジェンダー問題の専門家であるクアット・トゥー・ホン博士は、中国に近い北部では儒教思想の影響が強い一方、南部では東南アジア文化や西洋文化の影響によって男児へのこだわりが比較的弱いと説明している。
ホー医師は、体外受精を利用した性別選択を防ぐため、受精卵の染色体検査や検査結果の通知手順を厳格に管理し、違反行為に対する監視と処罰を強化する必要があると訴えた。
一方で、問題の根底には長年にわたる文化的・社会的価値観があるため、医療機関への規制だけでなく、男児を優先する意識そのものを変える取り組みが不可欠だとしている。
韓国や台湾でも過去に深刻な出生性比の不均衡がみられたが、経済発展や教育水準の向上などに伴い改善が進んだ例があり、ベトナムでも長期的な視点に立った対策が求められている。







































