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女性が足らない社会、出生時男女比の深刻な偏り

2025年05月08日(本日)07時00分 公開
女性が足らない社会、出生時男女比の深刻な偏り

<写真:nguoiquansat.vn>

 

ベトナムでは出生時の男女比に著しい偏りが生じており、特に北部地域でその傾向が顕著となっている。

 

なかでもバクニン省では、男児119.6人に対し女児100人という極端な比率が報告されており、これは自然な男女比である男児104〜106人に対し女児100人を大きく上回るものである。

 

この実態はベトナム統計総局が国連人口基金(UNFPA)および公衆衛生機構(VS)の支援を受けて実施した2021年から2024年にかけての全国戸籍登録・統計に関する初の報告書によって明らかにされた。

 

報告によれば、出生時の男女比は2021年に109.5、2022年に109.7、2023年には110.7と、3年連続で自然水準を大きく上回っており、特に紅河デルタ地域の10省において110を超える水準が観測されている。

 

具体的には、バクニン省に加え、ビンフック省が118.5、ハノイ市が118.1、フンイエン省が116.7などと高い比率を示している。

 

中部山間部および北部山岳地帯でも同様の傾向が見られた。一方で、南部地域においては105〜108と、比較的自然な比率に近い数値にとどまっている。

 

この男女比の偏りの背景には、儒教的価値観に根ざした男児優先の家父長的思想が存在するとされている。

 

これに加え、女性1人あたりの出生数が1.91人と低下するなかで、家族が一人っ子に男児を望む傾向が強まり、胎児の性別を容易に判別可能な医療技術へのアクセスが、選択的中絶を助長する一因となっている。

 

保健省人口局のマイ・スアン・フオン副局長によれば、家庭が一人しか子どもを持たない場合、男児を選ぶ傾向がより顕著になり、出生前診断や選択的中絶が加速している。

 

政府は2030年までに出生時の男女比を109未満とすることを目標に掲げており、統計総局はこの達成に向けて、地域特性に応じた重点的な政策配分が不可欠である。

 

特に北部地域における対策の強化が求められている。

 

また、保健省のチャン・バン・トゥアン副大臣は「現在の傾向が続けば、2034年には15〜49歳の男性人口が150万人超過し、2059年には180万人に達する」として、将来的な人口構造の歪みに対して強い懸念を示している。

 

今後の政策においては、性別選択の抑制に加え、女性および女児の社会的地位向上を図る施策の推進が不可欠である。

 

加えて、二人目以降の出産を奨励し、特に女児の出産を支援する制度設計が焦点となっていく。

 

 

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※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。


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