韓国軍のベトナム人虐殺、政府が歴史的事実の尊重を要請

2023年03月10日(金)17時28分 公開
韓国軍のベトナム人虐殺、政府が歴史的事実の尊重を要請

<写真:VnExpress>

 

韓国政府がベトナム戦争時の韓国軍による民間人虐殺に関する賠償金支払い判決を不服として控訴したことを受け、外務省のファム・トゥー・ハン副報道官は9日午後に開催された定例記者会見で、韓国側に「歴史的事実を尊重」するように要請した。

 

同報道官は「韓国は両国間の友好・協力関係の促進に寄与するために、ベトナム戦争の被害を克服する上での現実的かつ効果的な行動をするべきである。ベトナムのスタンスは過去に固執せず、未来に目を向けることであるが、歴史の真実を否定することではない。韓国政府が控訴したことは残念なことである」と述べている。

 

判決後の2月初めに開かれた定例記者会見では、同省のドアン・カック・ベト副報道官が、「ベトナム政府は韓国裁判所の判決を支持し、同国は国民の正当な権利の保護を常に重視している」と述べていた。

 

同裁判は1968年に韓国軍海兵隊第2旅団がクアンナム省ディエンアン村フォンニャット・フォンニ集落で住民74人を殺害した際に、同軍がベトナム人女性グエン・ティ・タインさんの家族を殺害したとして、タインさんが2020年に個人で韓国政府を提訴した。

 

ソウル中央地方裁判所は2月7日の判決で韓国政府に対し、タインさんへ3000万ウォン(約310万円)支払いを命じていた。韓国の裁判所がベトナム戦争時の虐殺に関する国家責任を認めたのは、同判決が初めてのことであった。

 

韓国は1964年から1973年に掛けて、米軍に次ぐ30万人以上の軍隊をベトナムに派遣していた。

 

 

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