〈写真:イメージ画像〉
ベトナムで「自宅にいながら受動収入を得られる」とうたうSNS投稿をきっかけにアフィリエイトへ参入し、わずかな収益のために睡眠や私生活を削り、心身を疲弊させる若者がみられている。
ある会社員女性は月給800万ドン(約4万9000円)の生活に焦りを感じ、500万ドン(約3万円)以上を投じて撮影用ライトやマイク、化粧品のサンプルを購入したが、昼間の仕事を終えて深夜まで動画を制作しても、1週間の報酬は1万8225ドン(約110円)にとどまった。
別の28歳女性も育児中の母親向けSNSグループで紹介された副業に刺激され、800万ドン(約4万9000円)以上の商品を購入してライブ配信を始めたが、3カ月間の報酬は60万ドン(約3600円)未満で、いら立ちから家族関係にも影響が出たという。
ACCESSTRADE Vietnamによると、ベトナムのアフィリエイト市場は2026年に7億〜10億ドル(約1100億〜1600億円)規模へ達する見通しで、2022年の約30倍に拡大している。
大手ブランドではアフィリエイト経由の売上高が平均で全体の10%を占め、2022年の4%から上昇しており、ShopeeではパブリッシャーやKOCによるアフィリエイトリンク経由の販売が総売上高の約30%に達するとの推計もある。
一方、参入障壁の低さから競争は激しく、多くの参加者が月100万ドン(約6100円)未満しか稼げないまま、商品購入費や時間的負担を理由に活動をやめているとされる。
電子商取引では返品や注文キャンセル、精算までの時間、源泉徴収される税金などによる資金繰りのリスクもあり、埋没費用や損益分岐点を十分に理解しないまま参入するケースもある。
Lumos心理相談・治療センターの専門家は、アフィリエイト従事者に限定したうつ病や不安症の発症率に関する統計はないとしたうえで、SNSを制御できない状態が睡眠障害やストレス、抑うつと関連することは、110万人以上の若者を対象とした国際的な分析でも示されていると説明する。
問題は画面を見る時間の長さだけではなく、注文や報酬を確認する習慣を制御できなくなり、睡眠や人間関係、日常生活が崩れていく状態にあるという。
SNS上で高額な報酬画面を目にすることは、機会を逃すことへの恐怖を意味するFOMOを強めやすく、クリック数や報酬を繰り返し確認する行動は、報酬が不規則に得られるという点でギャンブルに似た心理を生みやすいと指摘されている。
また、深夜まで動画制作やライブ配信を続ける生活は睡眠リズムを崩し、慢性的な睡眠不足によって身体的な疲労と精神的な負担がさらに強まる悪循環につながる。
専門家は、コンテンツ制作と報酬確認の時間を分け、勤務時間外は注文通知を切り、管理画面の確認を1日3〜4回に限定するなど、計画的なデジタルデトックスを勧めている。
毎日、散歩や家族との食事、読書など収益と結び付かない時間を確保し、それでも不眠や不安、抑うつなどが続く場合は医療専門家に相談する必要があるとしている。







































