〈写真:イメージ画像〉
ベトナムで実態のない電子部品取引を装い、約5200万ドル(約82億円)を国境を越えて違法に移動させた疑惑が浮上し、中国人の関係者と元銀行員2人が送金の仕組みに関与していたことが明らかになった。
ハノイ市人民検察院が裁判所に送付した起訴状によると、送金にはベトリン社とフォンラム社の2社が利用され、チップ型抵抗器などの輸出入契約を装った書類が作成されていたが、実際の商品取引は行われていなかったという。
捜査で確認された送金額は、ベトナムから国外への送金が約4020万ドル(約64億円)、国外からの入金が約1180万ドル(約19億円)に上り、合計で約5200万ドルに達した。
送金を実行する中心人物はグエン・マイン・リンで、2019年に知り合った中国人のジェン・イエンフェイが送金希望者を集め、手数料などを取り決めた上でリンと協力していたとされる。
国外へ送金する際は、顧客からリンの個人口座に振り込まれた資金を企業口座へ移し、架空の輸入代金として海外へ送金する一方、国外からベトリン社の口座に入金された資金はリンが現金で引き出し、ジェンに引き渡していた。
こうした国際送金を可能にするため、OCB銀行ハノイ支店の元職員であるレ・ダン・コアとディン・ティ・リックが、企業の法的書類や決済証憑の準備、銀行審査に必要な手続きなどを支援していたとされる。
特にリックは、MSB銀行に開設されたベトリン社の口座から16回にわたり計969億ドン(約5億9000万円)を現金で引き出したほか、リンの個人口座に7回、計364億6000万ドン(約2億2000万円)を入金していたことが確認された。
起訴状では、一連の取引によってリンが約3億ドン(約180万円)、コアが約4000万ドン(約24万円)の利益を得たとされ、リックも6カ月間の経理業務に関連して3000万ドン(約18万円)を受け取っていた。
また、送金希望者の中にはリンの口座へ計638億ドン(約3億9000万円)を振り込んだ企業関係者もおり、一部の送金記録には実際の取引が存在しないにもかかわらず、樹木の購入代金として記載されていた。
フォンラム社では、中国人のメン・ジュンが関係者として取引に参加し、妻のレ・ティ・ハオが代表者を務めていたが、ハオは送金の実際の目的を知らなかったとされ、捜査当局は刑事責任を問う根拠がないと判断した。
一方、顧客の獲得や送金の手配を担っていたジェンは2025年6月11日にベトナムを出国しており、捜査当局は中国側に司法共助を要請したものの、捜査書類の完成時点では回答を得られていなかった。









































