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ホーチミン市のオフィス市場で、IT企業を中心に賃貸面積の返却や縮小が広がっており、人工知能(AI)による採用計画の変化などを背景に、約6年ぶりにオフィス返却の動きが確認された。
不動産サービス大手CBREベトナムの第3四半期報告書によると、今年1〜9月のホーチミン市におけるオフィス取引面積のうち、賃貸面積の返却が12%、縮小が5%を占め、特にIT業界でこうした動きが目立っている。
背景には、新型コロナウイルスの流行後に急成長したテクノロジー企業の事業再編やコスト削減があり、多くの企業がオフィスの利用効率を見直している。
CBREは、AIの普及によって企業の採用計画や業務運営が変化し、従業員数の増加に比例してオフィス面積を拡大する従来の傾向が弱まっていると分析している。
不動産サービス会社サヴィルズ・ベトナムの調査でも、ホーチミン市のオフィス市場は5四半期連続でプラスだった需要吸収面積が第3四半期に大半のグレードでマイナスに転じ、ITに加えて金融、保険、不動産、小売・流通業でも一部の企業がオフィスを縮小していることが明らかになった。
現在のオフィス賃貸市場では、契約更新や賃貸面積の調整、移転が取引の中心となっており、ビル所有者も賃料の引き上げより既存テナントの維持を優先しているため、借り手側に有利な交渉環境が生まれている。
一方、IT企業によるオフィス返却が増えているものの、他業種の事業拡大に伴う需要や安定した供給に支えられ、市場全体の需給バランスは維持されている。
今年1〜9月には高級オフィスに相当するグレードAと中級のグレードBで新規供給がなく、市場全体の供給面積は約300万㎡、稼働率は約90%を維持し、平均賃料も1㎡当たり月87万ドン(約5300円)で安定している。
今後のオフィス需要を支える要因として、CBREはホーチミン市で進められている国際金融センター(IFC)に注目している。
IFCでは実際の運営開始から6か月間で、国内外の投資家やパートナーから約200億ドル(約3兆2000億円)の投資コミットメントが集まっている。
ただし、こうした投資が実際のオフィス賃貸需要につながるには、各組織が手続きや人材採用、物件選定を完了するまでに12〜24か月程度を要するとみられている。
CBREは、既存の中心市街地とトゥーティエム新都市区を結ぶ2拠点型のIFCが、2027年以降のホーチミン市のオフィス市場における最大の成長要因になると期待している。
また、サヴィルズは行政区域再編後のホーチミン市で、今年1〜9月の域内総生産(GRDP)が9.1%成長し、新規設立企業の登録資本金も23%増加したことが、今後のオフィス需要を下支えすると予測している。
2029年までに供給が予定されている新規オフィスの90%超は、中心市街地、フーミーフン、トゥーティエムの3地域に集中する見通しである。







































