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ベトナムの企業で、社員に年次有給休暇(年休)を使い切るよう促し、場合によっては取得を義務付ける動きがみられている。
社員の休暇取得を権利として保障するだけでなく、未消化分に伴う会計上の負担を減らし、組織運営や人材管理を効率化する狙いもあるという。
多国籍テクノロジー企業で中間管理職を務める人物は、10年間の会社員生活で初めて、人事部から12月までに残る年休10日を消化するよう求めるメールを受け取った。
同社では未消化の年休を金銭に換えることができないため休暇をまとめて取得したが、休暇中も毎朝の仕事やメッセージ対応、オンライン会議が続き、実質的な在宅勤務のようになったという。
非政府組織で働く人物も、8年前に期限直前で12日分の年休をまとめて取得した経験から、翌年以降は年間16日の休暇を各月に分散したり、長期旅行に合わせて計画したりするようになった。
ドイツのFOM応用科学大学のアンドレアス・シュトッファース教授は、社員に休暇取得を促す必要が生じる背景として、上司への遠慮や管理職による強い統制、職場にいる時間を忠誠心の尺度とする企業文化などを挙げている。
ベトナム国家大学ハノイ校経営研究所のレ・チュン・ヒエウ副所長によると、年休消化を促す運用は国際化や外国直接投資(FDI)企業の増加とともに広がり、欧州や北米、日本の本社方針に従う多国籍企業や大手合弁企業、上場企業、銀行、金融、保険業界などで多くみられるという。
ハノイ市に本社を置く大手企業では未消化の年休日数を定期的に確認して社員へ通知しており、ハイフォン市の銀行支店では管理職に年休をすべて取得させ、その期間は本部から代替要員を配置している。
ヒエウ副所長は企業が年休消化を求める主な理由として、未消化休暇に伴う潜在的な負債や引当費用の削減、労働安全上のリスク回避、従業員の回復と組織の持続性確認、運営費の削減の4点を挙げた。
シュトッファース教授によると、ドイツでは原則として年内の休暇取得が求められ、必要な理由がある場合は翌年3月まで繰り越すことができ、適法な休暇を妨げる行為には最大3万ユーロ(約530万円)の行政罰が科される場合がある一方、日本では年休を2年間繰り越すことができるという。
一方で、年末に休暇をまとめて取得させると仕事の進捗への不安から休暇中も働き続け、かえって疲労につながる可能性があるため、企業側には長期的な休暇計画や繰り越しなど柔軟な仕組みが必要との指摘もある。
ハノイ市のある銀行員は現在、年間13日の年休を年初から計画的に配分し、緊急の業務や引き継ぎを事前に済ませることで、休暇中に仕事を持ち込まないようにしているという。







































