〈写真:イメージ画像〉
ホーチミン市で10月7日夕方に発生した豪雨により、ゴーバップ地区の高級住宅街「Cityland Park Hills」で地下駐車場や事業所が最大1.5m以上浸水し、バイクや医療機器、電気設備などに大きな被害が出た。
同住宅街はファン・バン・チー通りとグエン・バン・ルオン通りに面する約27haの開発地区で、ヴィラやタウンハウス、マンションなどが立ち並び、学校や公園、商業施設も整備されている。
8日午前になっても複数の建物の地下に1m以上の水が残り、各施設で排水作業が続けられた。
シンハン銀行の支店では、従業員のバイク約10台がメーター部分まで水につかり、エレベーターや電気設備も浸水して故障した。
銀行側は8日朝から排水作業を開始し、電気系統を点検したうえで午前中の営業再開を目指していた。
同地区の産婦人科クリニックでも深刻な被害が発生し、テレビや超音波診断装置、尿検査機器、パソコン、診療記録などが浸水した。
クリニックを経営する人物によると、7日夜は地下への水の流入が非常に速く、バイクを外に運び出すのが精いっぱいだったという。
地下の壁には水位が1.5mを超えた痕跡が残っており、クリニック内の設備がほぼ使用できない状態になったことにショックを受けていると話した。
米国の衣料品企業の駐在員事務所でも、8日朝の時点で地下に約1mの水が残り、衣料品の副資材や機械設備などが損傷した。
また、近隣のゴーバップ花村公園でも冠水が続いたほか、7日夕方には2時間以上にわたる豪雨が帰宅ラッシュと重なり、市内の広い範囲で道路の冠水と深刻な交通渋滞が発生した。
ホーチミン市では熱帯収束帯と東風の擾乱の影響で10日以上にわたって広範囲で雨が続いており、気象当局は8〜9日の夕方から夜にかけても局地的な大雨を予測している。
一方、同市では長年にわたり道路や住宅の敷地をかさ上げする浸水対策が進められてきたものの、道路の高さが周辺住宅を上回り、住宅側に雨水が流れ込む問題も生じている。
ビンロイチュン地区のダン・トゥイ・チャム通りでは、道路を1〜1.1mかさ上げする工事が進められており、周辺の住宅が道路より約1m低くなるケースも発生している。
さらに、2024年に公表された研究では、ホーチミン市の地盤沈下速度は年間2〜5cm程度で、一部地域では7〜8cmに達することが示されている。
市では2025〜2050年を対象とする地盤高と排水に関する計画の検討が進められ、地域や想定条件に応じて建設地盤高を2.5〜3.2m程度とする案などが研究されている。
都市計画の専門家らは、道路や住宅を個別にかさ上げするだけでは周辺地域に浸水被害を移す恐れがあると指摘し、地盤沈下や海面上昇、豪雨の激甚化を考慮した総合的な都市計画が必要だと訴えている。
対策として、調整池や雨水貯留施設、浸水を許容する公園などを組み合わせ、雨水を都市全体で吸収・貯留・調整する「スポンジシティ」の考え方も提案されている。







































