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ベトナム統計局によると、2026年1〜9月の中国本土からの訪問者数は390万人を超え、国・地域別で首位だったものの、前年同期比の増加率はわずか1.5%にとどまった。
これは主要10市場のうち韓国に次ぐ低い伸び率で、中国が2023年にコロナ禍後の海外渡航を再開して以降でも最低水準である。
中国人観光客の誘致を支援するChina Tourist Agencyの創業者、ペドロ・ヴオン氏は、ビザ制度で優位に立つ近隣国との競争が伸び悩みの一因だと指摘する。
タイ、マレーシア、シンガポールは中国との相互ビザ免除を導入し、韓国も2025年9月から中国人団体旅行客のビザを免除している。
10月1〜7日の中国の大型連休では、タイ、韓国、マレーシアが人気の海外渡航先となり、主要旅行プラットフォームが公表した人気渡航先の一覧にもベトナムは入らなかった。
アジア観光開発研究所のファム・ハイ・クイン所長は、中国人旅行者の消費行動が変化し、長期の高額旅行よりも費用を抑えた短期旅行を重視する傾向が強まっていると分析する。
実際、中国の大型連休中における国内旅行1回当たりの平均支出は前年同期比約2%減の893.92元(約2万1000円)となり、過去4年間で最低水準を記録したほか、旅行市場調査会社China Trading Deskも2026年の中国人海外旅行者数の予測を従来より約3%引き下げ、約1億7900万人とした。
ベトナム側の課題としては、低価格の団体ツアーや画一的な旅行商品が依然として中心であり、若年層や中間所得層で高まる個人旅行、文化・食体験、高品質なリゾート滞在などの需要に十分対応できていない点が挙げられる。
中国の旅行代理店300社を対象とした7月の調査でも、小規模ツアーや高級・個別対応型ツアーの成長が目立つ一方、従来型の団体ツアーを選ぶ旅行者は約23%にとどまった。
さらに航空便の減少も影響しており、5月1日〜6月30日の中国発東南アジア行きの航空便数は運航計画の見直しによって14%超減少したが、ベトナム行きは17%減と地域全体を上回る減少幅となった。
こうした状況を受け、ベトナム政府は10月12日、カインホア省への旅行に限定して中国人団体観光客のビザを免除する決議を公布し、2027年12月31日まで適用することを決めた。
同省を訪れた中国人観光客は2024年の約80万人から2025年には67万7000人へ減少し、2026年1〜9月も推計46万9000人と前年同期比6%超減っている。
同省のタイ・ティ・レ・ハン文化・スポーツ・観光局長は、ビザ免除によって宿泊施設や飲食店、運送事業者などの事業拡大や雇用創出につながることに期待を示す一方、旅行商品の多様化やサービス品質の向上、価格の透明化にも取り組む方針を示した。
専門家らは、中国人観光客の需要に合った旅行商品の開発に加え、中国語対応人材の育成、夜間観光やショッピング施設の充実、中国で普及する小紅書(RED)、微博(Weibo)、抖音(Douyin)などを活用した情報発信の強化が必要だと指摘している。
また、カインホア省での試行が成果を上げれば、ラムドン省やダナン市などへの制度拡大を検討するとともに、増加傾向にある中国人個人旅行客のビザ手続きも緩和すべきだとの意見が出ている。
中国人観光客の訪問者数だけでなく観光消費額を増やすためにも、ビザ制度の改善と旅行商品の高付加価値化が重要な課題となっている。







































