〈写真:イメージ画像〉
ベトナムの工業団地で土地賃料が従来より1000%超上昇する事例が報告され、開発事業者や入居企業の経営を圧迫しているほか、環境基準の厳格化に伴うインフラ投資の負担も増している。
10月29日に開催されたベトナム不動産協会などによる産業用不動産に関する討論会で、カットライ工業団地のチェ・ヴァン・チュン氏は、土地賃料が次の契約期間に移行する際に1000%超上昇した事例があると明らかにし、事業者にとってコスト管理や事業継続が難しくなっていると指摘した。
外資系工業団地の一部では、賃料の改定幅を5年ごとに最大15%、年平均3%相当に抑える契約もあるが、実際の土地賃料は個別の条件によって大きく変動するという。
ベトナム不動産協会のファム・グエン・トアン副会長も、土地使用料の高騰によって都市開発や工業団地の事業規模を約30%縮小せざるを得なかった企業があると説明した。
土地関連費用に加え、用地取得や立ち退き補償、河川・水路を含む土地の処理、地方ごとに異なる投資手続きなども事業の長期化とコスト増加につながっている。
さらに、従来型の工業団地を環境配慮型のエコ工業団地へ転換する動きが進む一方、排水の再利用や環境モニタリングに関する具体的な基準や運用指針が不足しており、企業の対応を難しくしている。
環境関連事業を手掛けるSUEZベトナムのレ・ティ・キム・タイン氏は、給水設備や排水処理・再利用、廃棄物処理、環境監視システムなどの整備状況が、工業団地の競争力を左右する重要な要素になっていると指摘した。
特に半導体産業やデータセンターなどの先端産業では、技術面と環境面の双方で厳格な基準が求められるため、土地や工場の提供だけでなく、環境インフラを含めた総合的な設備整備が必要になるという。
同氏は、排水再利用に関する法的枠組みを明確化するとともに、専門事業者との連携による環境インフラの整備・運営を促進すべきだと提言した。
ベトナム不動産協会は、土地使用料や土地賃料に関する企業の要望を取りまとめ、関係当局に改善を求める方針である。
同協会のグエン・ヴァン・コイ会長は、従来型工業団地からエコ工業団地への転換を支援する財政政策の導入や、排水再利用に関する具体的な基準の早期整備を求めた。
また、産業用不動産の開発は土地面積の拡大を重視する従来の方針から、環境配慮やスマート化、先端技術の活用、地域間連携によって付加価値を高める方向へ転換する必要があると強調した。
土地賃料の高騰と環境インフラへの投資負担が重なるなか、工業団地の競争力を維持しながら環境対応を進めるための制度整備や企業支援が課題となっている。







































