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ベトナムでは外国人観光客の滞在時間と消費額を伸ばす手段として夜間経済への期待が高まる一方、夜に楽しめる観光商品の選択肢が少なく、十分な消費につながっていないとの指摘が出ている。
初めてホーチミン市を訪れたある米国人観光客は、夜景を眺めながら楽しむサイゴン川のディナークルーズに強い印象を受けたが、それ以外の夜は街歩きやブイビエン〜ファムグーラオの外国人街などに選択肢が限られ、午後10時以降は友人とバーでビールを飲む程度だったという。
オーストラリア人観光客の夫妻も、夜の観光スポットとして紹介されたチョロン地区を訪れたものの、ライトアップされたビンタイ市場はすでに閉館し、周辺には飲料や軽食を売る店がわずかにあるだけだったため、期待していた華人文化の体験ができずホテルへ戻った。
LuxGroup創業者兼CEOのファム・ハー氏は、夜間経済は単に営業時間を延ばすものではなく、宿泊や夕食、飲料、ウェルネス、芸術、娯楽、買い物、交通などを組み合わせた新たな消費の連鎖を生み出すものだと指摘している。
ハロン湾では一般的な日帰りツアーの支出額が1人180万〜250万ドン(約1万1000〜1万5000円)であるのに対し、高級宿泊ツアーでは600万〜800万ドン(約3万6000〜4万8000円)以上となり、1泊するだけで400万〜600万ドン(約2万4000〜3万6000円)の付加価値が生まれるという。
ニャチャンでも、夕暮れ時のカクテルに夕食や音楽を組み合わせた湾内プログラムは、通常の湾内ツアーの約5倍の価値を生み、従来は観光客がホテルへ戻っていた時間帯に新たな消費を創出している。
ベトナム観光業界は2026年に外国人観光客2500万人、国内観光客1億5000万人を目標とし、観光収入は約1100兆ドン(約6.6兆円)を見込んでいる。
2025年の観光収入は約1000兆ドン(約6兆円)で前年比19%増、2019年比では約38%増となり、観光業はGDPの約8.8%を直接生み出し、約441万人の雇用を支えている。
一方、ファム・ハー氏は現在の夜間観光商品には小規模で断片的なものが多いとし、地域固有の文化を生かす「独自性」、客の好みに応じる「個別化」、複数サービスを一体化する「完結性」、安全や人材、販売網を含めた「運営力」が重要だとしている。
経済・観光開発研究所のズオン・ドゥック・ミン副所長によると、魅力的な夜間観光にはコンテンツだけでなく、空間、人材、交通、照明、安全、営業時間、安定した運営体制を同時に整える必要があり、文化や芸術、遺産、ウェルネスを活用した商品は研究や試験運用にも時間を要する。
さらに、大規模な夜間事業では夜勤人件費や治安、防火、各種法令への対応などの費用が発生し、営業範囲や時間、関係者の責任が長期的に予測しにくい場合、投資家が大型案件への投資に慎重になりやすいという。
ホーチミン市では夕方の川沿いから飲食、創造文化施設、買い物、ウェルネス、深夜営業の施設までを連続して楽しめる都市型の夜間体験を構築する案が示されており、地域ごとの夜間経済計画や新事業の管理下での試行制度、夜間交通などの共通インフラ整備、データを活用した消費・雇用効果の把握が課題となっている。






































