〈写真:イメージ画像〉
国際協力機構(JICA)は、ベトナムの経済成長を支援するため、年間約1000億円規模の融資を行う方針を明らかにした。
JICAベトナム事務所の福田千尋次席代表が10月7日の記者会見で説明したもので、ベトナムが目指す2桁成長に必要な資金需要に対応する狙いがある。
融資は、ベトナム企業の技術移転や企業間連携、資金調達環境の改善を支援する事業などに充てられる予定である。
JICAベトナム事務所の小林洋介所長は、今後の支援戦略として、科学技術分野の人材育成、民間セクターの発展、投資環境の改善、戦略的インフラ整備の4分野を重点的に推進する方針を示した。
ベトナム経済はこれまで、労働集約型の製造業や外国直接投資(FDI)、国際経済への統合を成長の原動力としてきたが、政府は2045年までの高所得国入りを目指し、新たな成長エンジンの確保を進めている。
日本によるベトナム向け支援は直近1年間で大幅に拡大しており、2025年10月〜2026年9月の融資承諾額は893億円に達した。
対象となるのは、北部山岳・中山間地域の気候変動対応型インフラ整備、農村部の災害対応力強化、グリーンファイナンス政策の整備を支援する3事業である。
このうちグリーンファイナンス政策の整備には500億円が充てられ、手続きの簡素化や迅速な資金供給を特徴とする新世代の政府開発援助(ODA)融資が活用される。
JICAは融資事業の成果について、資金の実行額だけでなく、関連政策の策定・実施状況や実際の効果を重視する方針で、グリーンボンドの発行額や再生可能エネルギー比率なども評価指標となる。
一方、2024年10月〜2025年9月には新規融資がなく、それ以前の直近の融資承諾は2023年末のホーチミン市都市鉄道1号線(ベンタイン〜スオイティエン間)向けの420億円であった。
日本は2025年末時点でベトナム最大の二国間ODA供与国となっており、JICAによると、これまでの円借款の累計額は3兆円を超えている。
ベトナムでは温室効果ガスの排出削減だけでも2030年までに約690億ドルの資金が必要と見込まれ、このうち約440億ドルに相当する64%を海外からの借り入れで賄う計画である。
JICAはまた、ベトナム株式市場がセカンダリー新興国市場に格上げされることで、質の高い資金の流入が拡大することにも期待を示している。






































