〈写真:イメージ画像〉
ホーチミン市で短時間に大量の雨が降る集中豪雨が増加しており、道路冠水や交通渋滞が相次いでいる。特に9月から10月上旬にかけては、わずか45分〜1時間で100mmを超える雨が観測されるなど、既存の排水設備の処理能力を大幅に上回る事例が発生している。
南部気象水文台によると、2026年初めから10月までに日降水量が50mmを超えた日数は、ホーチミン市のニャーベー観測所で9日、タンソンホア観測所で8日に達した。特に9月21日には、ニャーベー観測所で258mmの降水量を記録した。
タンソンホア観測所では、日降水量50mm超の日数が1990〜2020年の年平均7日から、2021〜2025年には年平均12日へ増加している。2026年も10月までに8日を記録し、過去の長期平均をすでに上回った。
ホーチミン市農業環境局によると、過去3年間は降雨量が増加傾向にあり、数日間にわたる長雨や100mmを超える豪雨の発生も増えている。特に1〜2時間に雨が集中するケースでは、排水が追いつかず、広範囲で冠水が発生している。
市建設局は10月8日の記者会見で、現在の排水設備が3時間で85.3mmの降雨と水位1.32mの高潮に対応する設計であると説明した。しかし、9月30日と10月1日には複数の観測所で45分〜1時間に100mmを超える雨が降り、同時に潮位も1.42〜1.56mに達していた。
高潮の発生頻度も増加している。フーアン観測所では、警戒水位レベル2に相当する1.50mを超えた回数が2017〜2021年の151回から、2022年〜2026年9月には220回となった。警戒水位レベル3の1.60mを超えた回数も、それぞれ55回と74回に上っている。
さらに2025年11月上旬には、フーアン観測所で1.78m、トゥーザウモット観測所で1.88mを記録し、いずれも観測史上最高水位となった。
市農業環境局は、ホーチミン市が低地に位置し、気候変動や海面上昇の影響を受けやすいことに加え、都市化による地表のコンクリート化やアスファルト舗装の拡大が浸水を悪化させていると指摘する。
雨水が地中に浸透しにくくなり、排水設備へ大量の水が集中するほか、低地の埋め立てによって一時的に雨水をためる場所も減少している。河川や水路へのごみ・土砂の堆積、老朽化した下水管、工事の影響、地盤沈下なども排水能力を低下させる要因となっている。
こうした状況を受け、市農業環境局は9月30日、23の街区・行政村にある計134カ所の防災施設について、修繕や緊急整備に必要な費用を防災基金から支援する案を市人民委員会へ提出した。
これに先立ち、市は防災基金を活用した89カ所の重要施設の修繕・緊急整備を原則承認している。これらの工事が完了すれば、約9114haの土地と1万144世帯を浸水被害などから保護できる見込みである。
今後は堤防の補修や河川・水路の浚渫(しゅんせつ)と拡幅、排水設備の改修、潮位調整用の水門、ポンプ場、調整池の整備などを進める方針である。
また、南部気象水文台と連携して豪雨や高潮の予測・警報の精度を高めるとともに、ザウティエン湖やチアン湖などの貯水施設の運用を調整し、下流域の浸水リスクの軽減を図るとしている。








































