妻の治療費が底をつき殺害、ホーチミン市の男性に懲役7年の実刑判決

2022年09月28日(水)14時51分 公開
妻の治療費が底をつき殺害、ホーチミン市の男性に懲役7年の実刑判決

<写真:VN Express>

 

ホーチミン市の男性が妻の治療費が底をついて心中を図った事件で、懲役7年の実刑判決が言い渡された。

 

26日に開廷された裁判でヒュイン・クアン・ダット被告(56)は「妻の治療費を支払うことができなくなり、妻は死を望んでいた。自分が自殺する前に妻を安楽死させることを考えた」と陳述した。

 

ダット被告の妻は15年前から病気を患っていた。

 

昨年11月4日、ダット被告は病院で妻を感電死させた後、手首に電線を巻きつけて何度も感電死を試みた。その後、現場を発見した親族が助けを求めるとともに電気回路を破壊した。

 

裁判でのダット被告の証言によると、被告の妻は昨年新型コロナウイルスに感染した後、健康状態が更に悪化して手足が動かなくなっていた。

 

同被告は「妻が望んでいたから殺害したが、刑務所に入ったことで自分の過ちに気が付いた。裁判所が寛大でより軽い刑期を与えることで人生をやり直し、義父の面倒を見る機会を与えてくれることを願っている」と陳述した。

 

証言台に立った被告人の息子によると、2021年に母親が新型コロナウイルスに感染して健康状態が悪化した際、ダット被告は治療費を支払うため親戚から1億ドン(約61万円)を借りなければならなかった。

 

被告人の息子は脳卒中になった母親を15年間に渡って面倒をみていたのは父親であると断言するとともに、「両親の状況は非常に厳しく、他の選択肢はなかった。だから自殺も考えたと思う」と述べた上で、裁判所に減刑を望んだ。

 

ダット被告の弁護士は「同被告は妻を愛しており、妻が不自由になった後の何年も面倒を見てきた。あらゆる治療法を模索して月に数千万ドン(1000万ドン=約6万円)も掛かるリハビリセンターへも連れて行っていた」として被告人を擁護した。

 

また同弁護士によると、被告の行動は極度の自暴自棄と妻と共に死にたいという願望から生じたもので、痛ましい事件であり家族の悲劇である。

 

裁判所は「ダット被告の家族の状況は確かに不安定であったが残された選択肢がないほど絶望的ではなかった」と結論付けるとともに、「同被告は健康で健全な精神の持ち主である。妻を励ますべきであったが、妻の命を絶つという手段に出た」として、あらゆる要素を考慮した上で7年の実刑判決を下した。

 

 

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