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エアバスA320型機、ソフト更新を32時間で完了

2025年12月10日(水)07時00分 公開
エアバスA320型機、ソフト更新を32時間で完了

<写真:tuoitre.vn>

 

欧州の航空機メーカーであるエアバスは11月28日深夜(ベトナム時間)、A320ファミリー機に搭載されている飛行制御ソフトウェア「ELAC」において、太陽放射線の影響による誤作動のリスクが判明したとして、緊急の技術通達を発出した。

 

これを受け、欧州航空安全機関(EASA)は、全世界のA319、A320、A321型機を対象に11月30日午前6時59分までにソフトウェアの更新またはモジュールの交換を義務付けた。

 

ベトナムでは、民間航空局と国内の主要航空会社が即座に対応に乗り出した。特にベトジェットは保有機69機、ベトナム航空は18機、合計87機が更新対象となり、極めて短時間での処置が求められた。

 

ベトジェットでは通達発出直後に緊急対策委員会を立ち上げ、独自に導入しているビッグデータとAIを活用した整備支援システム「AMOS」により、全機の状況をリアルタイムで解析した。

 

全国の整備拠点に技術者を迅速に配置し、更新作業を開始した。通常2〜3時間を要する更新作業を、熟練技術者による手順の見直しと最適化によって最短45分に短縮することに成功し、その手法は即座に全国へ展開された。

 

ベトナム航空も、整備を担う関連会社Vaecoと連携し、ハノイ市、ホーチミン市、ダナン市の三都市において迅速に作業を進行した。インドネシアで塗装作業中であった1機を含め、11月30日午前1時までに全機のソフトウェア更新を完了させた。

 

世界全体では約6000機が同様の更新対象となっており、各国でも大規模な対応が必要とされた。日本では全日空(ANA)が34機の運航を一時停止し、95便の欠航を余儀なくされた。インドではIndiGoおよびAir Indiaが計300機以上の対応に追われた。

 

ベトナムにおいては、対象機すべてがEASAの期限前に更新を完了し、A320ファミリー機の運航に一切の支障を出すことなく、国内外のフライトスケジュールを維持することに成功した。

 

ベトナム民間航空局のウオン・ベト・ズン局長は「業界全体による迅速かつ的確な対応は、国際水準の技術力と組織力を有することの証明である」と評価した。

 

今回の緊急対応は、ベトナム航空業界にとって、技術、データ、人材といった総合力を問われる試練であった。その克服は今後の航空安全体制の構築に向けた貴重な経験となり、将来の課題への備えとして大きな意味を持つものである。

 

 

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※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。


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