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多数の国際航空会社、ベトナム市場に本格進出
<写真:vietnam.vn>
国際航空会社がベトナム市場に照準を定め、新規路線の開設やサービス品質の向上を加速させている。
10月から11月にかけて複数の航空会社がベトナム路線の増便や新規就航を実施しており、今後もこの流れは継続する見通しである。
このような動きは、国内航空会社にとっては国際企業との協業の機会を提供すると同時に、サービス水準の引き上げや運航効率の改善、ネットワークの再編を迫る圧力にもなっている。
地上サービスを手がけるサイゴン地上サービス(SAGS)およびタンソンニャット貨物サービス(TCS)といった地元企業は、ユナイテッド航空やターキッシュ エアラインズなどの有力顧客を獲得し、地場の競争力を強化している。
とりわけTCSは、10月よりターキッシュ・エアラインズの貨物処理を完全自動化システムで運用し、業務の効率化と保管時間の短縮を図っている。
韓国のコリアン・エアーは、すでにベトナム国内5都市に乗り入れており、乗客数および搭乗率の面で東南アジアにおける高水準を維持している。
同社は現在、フエ、クイニョン、ダラットへの定期便開設を検討しており、実現すればベトナム市場でのプレゼンスはさらに拡大する見込みである。
アラブ首長国連邦(UAE)のエミレーツ航空は、新たにドバイ-ダナン線を開設し、同地域における影響力を強めている。
一方、米国のユナイテッド航空は10月26日より、ホーチミン-香港経由-米国本土線の運航を開始しており、米系航空会社としては唯一、ホーチミン発の定期便を提供する。
サービス面においても、各社は高品質化への取り組みを強化している。
シンガポール航空は現地銀行との提携により、割引サービス、レンタカー、グルメ特典などを展開しているほか、カタール航空は出発直前のアップグレードや代理決済など、柔軟な対応を導入している。
これらの取り組みは、ベトナムが単なる経由地ではなく、国際航空ネットワークにおける戦略的拠点となったことを示している。
シンガポール航空やコリアン・エアーによる透明性の高いマイレージ制度も、利用者の定着につながっている。
ベトナムの国内企業にとっては、航空機材の充実、地上支援体制の強化、人的資源への投資といった総合的な施策が求められており、単なる価格競争や便数拡大のみでは対応しきれない状況にある。
今後の競争力維持には、サービス品質の底上げが不可欠である。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。