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航空便遅延の補償制度見直し、ベトナム国会で議論が活発化
<写真:thanhnien.vn>
11月12日、ベトナム国会は民間航空法の改正案に関する審議を実施し、航空便の遅延や欠航に対する補償制度の不備が主要な論点として浮上した。
各地の国会議員からは、航空会社に対し、迅速かつ自動的な払い戻しおよび補償措置を義務化するように求める声が相次いだ。
近年、ベトナムの航空業界では遅延が常態化している。
民間航空局の統計によれば、2025年1月から9月までの定時運航率は全体で64.6%にとどまり、ベトジェットは55%、ベトナム航空も70%と、主要航空会社においても低水準となっている。
ホーチミン市選出のフイン・ティ・フック副団長は、遅延理由として「機材到着の遅れ」や「運航上の都合」といった抽象的な説明しか行われていない点を問題視し、乗客の理解を得るには不十分であると指摘した。
自身も過去に議会出席時に3度の遅延を経験したことを明かし、航空会社の説明責任と情報開示の徹底を求めた。
また、同議員は、遅延や欠航時の補償ルールが曖昧であり、返金の手続きや期限が明確に定められていないことを批判した。
そのうえで、乗客からの請求後、最大7営業日以内に返金を完了させることを法的に義務付けるべきとの考えを示した。
同じくホーチミン市選出のグエン・タム・フン議員は、航空会社による「自動的な金銭補償、または同等の価値を持つ製品の提供」を義務付けるとともに、苦情受付後3日以内の回答、30日以内の処理完了を法律に明記する必要性を訴えた。
さらに、航空会社側に責任がある遅延や欠航については、サービス料を差し引かずに全額返金する制度を導入すべきと主張した。
現在の補償額は、国内便で20万〜40万ドン(約1170〜2330円)、国際便では25〜150ドル(約3870〜2万3230円)が上限とされており、返金処理には最大14営業日を要するという。
こうした議論に対し、チャン・ホン・ミン建設大臣は、制度整備の必要性に理解を示しつつも、遅延の背景には天候要因や機材不足、さらには空港インフラの制約があると説明した。
特にホーチミン市のタンソンニャット国際空港では滑走路間の距離が短く、同時離着陸が不可能な構造であるため、機体が空中で待機せざるを得ず、その結果、追加の燃料費が発生し、環境負荷も高まると指摘した。
航空業界の信頼性向上に向け、補償制度の見直しと空港インフラの改善という両面からの対応が急務となっている。
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