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世界の半導体産業が注目するベトナム、大手各社が続々と進出
<写真:VN Express>
世界の半導体メーカーが次の生産地としてベトナムに注力しており、同国はバリューチェーンにおける立ち位置の上昇が予想されている。
日経アジアは8月、世界最大のチップ設計ソフトウェア企業の1つである米シノプシスがベトナムに投資し、エンジニアの訓練を移行することを決定したと報じた。
同社はサイゴン・ハイテク・パークにあるチップ・デザイン・センターでエンジニアを訓練し、ソフトウェア・ライセンスを提供する予定としている。
シノプシスはホーチミン市とダナン市にそれぞれ2つのオフィス、400人以上の従業員を雇用しているが、さらに300〜400人の増員を行う予定である。
8月に韓国サムスン電子のCEOであるRoh Tae-moon氏はファム・ミン・チン首相に対し、同社が北部タイグエン省の工場でボールグリッドアレイ製品を試験生産し、2023年7月に商業生産を開始するよう取り組んでいることを明らかにした。
ベトナムへの最大の海外直接投資企業であるサムスン電子は同国の研究開発センターの85%を完成させ、年内にも完成させたいとしている。
別の韓国企業であるアムコー・テクノロジーは今年初め、北部バクニン省に16億ドル(約2290億4640万円)の半導体材料製造工場を設置する契約に調印しており、2023年末までに同工場を開設する予定である。
米国大手のインテルや日本のルネサスエレクトロニクスなど、他の半導体メーカーも数年前からベトナムに進出している。
投資会社ビナキャピタルのチーフエコノミストであるマイケル・コカラリ氏は、ベトナムでの半導体生産は外国企業がベトナムの製造業を支え、同国で生産される製品の技術力を高める原動力になっていることを示すものであると指摘する。
企業がベトナムにハイテク工場を設立する主な動機はベトナムの高技能・低賃金の労働力とアジアのハイテクサプライチェーンに近いという地理的要因がある。
シノプシスのロバート・リー台湾・東南アジア・インド担当営業副社長は日経アジアに対し、ベトナムは冷蔵庫やエアコンの集積回路を設計することでバリューチェーンを上昇させることが可能であると述べている。
ベトナム電子工業会のドー・コア・タン副書記長は世界の半導体メーカーの参入によってベトナムがハイテク分野で脚光を浴びていると指摘する。同氏によると、半導体の生産には大規模な投資と人材が必要であり、ベトナムの大学で半導体設計の訓練を受けた技術者はまだ産業界に吸収されていない。
日本でマイクロチップのエンジニアをしているダン・ルオン・モー氏によると、ベトナムには数千人の優秀な半導体エンジニアがいて米国や台湾、日本、韓国などの企業で就業している。
多国籍企業による投資が増えればベトナム製の半導体は世界市場で確実に買い手を見つけることが可能であるという。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。