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中国へのドリアン輸出、発がん性物質の検査強化で課題
<写真:baomoi.com>
中国が輸入ドリアンに対する発がん性物質の含まれる染料「オーラミン」の検査を強化したことで、ベトナム産ドリアンの輸出に大きな影響が出ている。
一部のベトナム企業は輸出用ドリアンのコンテナを引き返さざるを得ない状況となり、輸出業界に深刻な損失をもたらしている。
2024年末、中国がタイ産ドリアンの一部にオーラミンを検出したことを契機に、輸入規制が強化された。
これによりベトナムの輸出企業はオーラミンの検査証明書を提出する義務が課され、輸出が滞る事態が相次いでいる。
ある輸出業者は、2025年初めに輸出を試みたドリアン10コンテナ(約170トン)が通関を拒否され、半数が現地で返送、残りも国内に戻されたと明かした。
これらの商品は国内市場で安価に販売され、企業に大きな打撃を与えている。
これまで輸出には主にカドミウム検査の証明が求められていたが、オーラミンの検査が新たに加わったことで、対応が追いついていない状況である。
他の多くのベトナム輸出業者も中国市場向け出荷を一時停止し、対応策を模索している。
ある果物輸出企業は新規制に対応するため、現在輸出を一時中断し、検査証明書の準備を進めていることを明らかにした。
しかし、中国の厳格な検査体制は通関手続きに最大1週間を要する場合があり、輸出業者にとって時間的・経済的な負担を大きくしている。
また、中国側はオーラミンが果実内部に浸透する可能性を指摘し、冷凍ドリアンにも同様の検査を義務付ける方針を取っている。
こうした状況を受け、ベトナム野菜果物協会のダン・フック・グエン事務局長は、政府や関連機関にオーラミンの検査体制を早急に整備するように要請した。
グエン氏は旧正月(テト)を控えドリアンの需要が最も高まる時期であることを強調し、輸出停滞が価格下落や市場損失につながる懸念を示している。
ベトナム産ドリアンは2024年に輸出額33億ドル(約5157億5700万円)を記録し、前年度比で10億ドル(約1562億9000万円)以上増加するといった成長を続けている。
野菜果物輸出全体では70億ドル(1兆940億3000万円)超を達成しており、ドリアンはベトナム農産物輸出の重要な柱となっている。
しかし、年間70億ドル(1兆940億3000万円)相当の生鮮ドリアンを輸入する世界最大の市場である中国で、ベトナム産ドリアンの競争力を維持するためには、迅速な対応が求められる。
検査体制の強化や輸出プロセスの最適化を通じ、規制に対応した持続可能な輸出体制を整備することが急務である。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。