おすすめのプロモーション
消費回復を追い風に小売業が拡大、マサンは農村部の戦略を強化

<写真:laodong.vn>
ベトナムの消費市場が回復基調にあるなか、国内の消費・小売企業が事業拡大を加速させている。
統計総局によれば、2025年8月の小売売上高およびサービス収入は約588兆ドン(約3兆2644億円)であり、前年同月比で10.6%の増加となった。
また、1〜8月累計では約4579兆ドン(約25兆4389億円)に達し、前年同期比で9.4%の伸びを示している。
生活必需品を中心とした消費の堅調な推移に加え、観光業の回復もこの動きを後押ししている。
消費の地域的拡大も顕著であり、都市部のみならず、農村や地方都市にも現代的な小売インフラが浸透しつつある。
これにより、地域ごとの消費ニーズを的確に把握し、迅速に対応可能な国内企業にとって、新たな成長機会が生まれている。
その代表的な企業として、マサングループ傘下のウィンコマース(WCM)が挙げられる。
同社は2025年1〜8月にかけて415店舗を新規に開業しており、その約75%が農村部に集中している。
農村地域における需要が都市部に迫る勢いで高まっていることがうかがえる。
2025年8月単月の売上高は前年同月比24.2%増の3兆5730億ドン(約198億4773万円)となり、1〜8月の累計では25兆ドン(約138億8250万円)を超えた。
新規開業店舗はいずれも早期に黒字化を達成しており、同業他社と比較しても際立った成果といえる。
農村部における現代的な小売モデルの展開は、消費者の購買行動が従来の伝統的小売から、利便性や品質管理に優れたチャネルへとシフトしていることを示している。
さらに、マサングループの食品事業であるマサンミートライフでは、2025年7月の店舗平均日商が約230万ドン(約1万2775円)に達している。
この売上がWCMの全4200店舗に展開されれば、日商は約95億ドン(約5275万円)に上ると見込まれる。
また、同社のブランド肉「MEATDeli」は、WCM内の精肉売上において69%のシェアを占めており、第2四半期の62%から大きく伸長している。
これは、消費者の間でブランド食品への需要が一層高まっている傾向を示している。
一方で、今後の課題としては、外資系企業との競争激化、出店コスト・人件費・物流費の上昇、さらには原材料価格の変動などが挙げられる。
こうした環境下では、企業は規模の拡大と並行して、コスト管理能力やリスク対応力の強化が求められる。
それでもなお、消費市場の着実な回復基調と直近の実績を踏まえれば、マサングループが2025年の業績目標を達成する可能性は高い。
これにより、同社の国内企業としての競争力の高さが改めて浮き彫りになっている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。