ベトナムで増加する薬物犯罪とその実態

2022年06月17日(金)13時37分 公開
ベトナムで増加する薬物犯罪とその実態

〈写真:VnExpress〉

 

ベトナム国内では麻薬関連の事件が増加しており、東南アジアの近隣国やヨーロッパとつながる麻薬密輸・密売ラインに対する捜査強化・摘発が行われている。

 

16日、公安省麻薬犯罪捜査警察局は、チャン・ティ・マウ容疑者(53)とグエン・サイ・ドゥック容疑者(56)が率いる大規模な麻薬密輸・密売組織の実態を明らかにした。

 

マウ容疑者が率いる組織はハノイ市やゲアン省に拠点を置いており、数多くの犯罪歴を持つ数十人の「犯罪のエリートたち」によって構成されていた。

 

同警察局によると、マウ容疑者は賭場に入り浸っており、ほとんど表に出ることはなく、ソーシャルネットワークを通じて遠隔で麻薬密輸組織に指示を出していた。

 

マウ容疑者とドゥック容疑者は、ラオスの組織との麻薬取引によって摘発された。

 

両容疑者はラオスの組織と麻薬の価格と数量に合意した後、ゲアン省アインソン(Anh Son)郡国境地帯の人里離れた森の中や高速道路などで、「ゴールデンアワー」と呼ばれる22時〜24時の間に、麻薬運搬のために雇った人々を使い取引を行なっていた。

 

同警察局は長期間にわたる捜査の後、2021年11月18日午前1時頃、別動部隊と連携しアインソン郡の国道7号線付近で麻薬運搬を担当する3人の容疑者を逮捕し、合成麻薬58キロとヘロインのパック18個を押収した。

 

同時に、捜査チームはゲアン省、ハノイ市、クアンニン省、バクニン省、ホーチミン市の12箇所を同時に捜索し、ヘロインのパック2個、あらゆる種類の麻薬6キロを押収した。

 

また、同警察局は別の捜査で、ヨーロッパ諸国のベトナム人グループが主導する、ドイツからベトナムへの麻薬密売ルートを取り仕切る組織を摘発している。

 

同組織の手口は、ロジスティクス企業の貨物輸送を利用し、空輸でベトナムへの麻薬運搬を行う。

 

多くはお菓子や化粧品、贈答品などの中に薬物を隠し、「普通の荷物」として警察の捜査を欺くことが多い。2022年5月中旬、同警察部は北〜南までの地方で多くの容疑者を追跡し、逮捕した。

 

今年上半期には、全国の麻薬警察は1万件以上の事件を処理し、1万6000人以上の犯罪者を逮捕し、ヘロイン397キロと合成麻薬838キロを押収し、224箇所の麻薬に関係する施設を摘発している。

 

同期間内のベトナム全国で管理記録がある薬物中毒者は、21万7000人以上となっており、2021年末に比べ1万1000人以上増加している。

 

現在、全国で4000以上の事業所が薬物に関係している疑いがあるとされている。ベトナムの麻薬取引はモーテル、ホテル、アパート、高級リゾートを借りて組織的に行われている傾向がある。

 

 

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