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受注減が続く製造業、多くの労働者が帰郷を選択
<写真:VnExpress>
第2四半期以降に製造業に従事する多くの労働者が解雇や契約停止を余儀なくされる困難に直面しており、帰郷を選択する労働者が増加している。
トアンさん(40)は勤め先への注文が半減した影響で収入が減ったため、退職して故郷のカマウ省で約20年ぶりに漁業を再開する準備を進めている。
トアンさんは妻のガンさん(38)と共にビンズオン省ディアン市にあるHoang Thong Wood社で働いていた。5月以降に同社は半分の生産能力で操業するようになり、残業が必要となることはなくなった。
基本給の支払いのみとなったトアンさん夫婦の収入は、合わせて700万ドン(約4万1320円)近く減少した。生活するのがやっとという状況に陥ったトアンさんは、4歳の息子だけを連れてカマウ省への帰省を決めた。
息子はディアン市で払っていた費用の半額で自宅近くの幼稚園に預けており、生活はガンさんの月収600万ドン(約3万5420円)から一部を仕送りとして受け取って成り立っている。
勤め先への注文が減り続ければ、ガンさんもカマウ省に帰省しなければならない。トアンさん家族はこの状況に対して「田舎には家賃が必要ない。腹が減れば野菜が食べられる」として楽観的である。
同社にはトアンさんの他にも労働時間短縮の影響を受けた800人以上の退職者がいる。
同社人事部長のドゥオン・クアン・ヒエップ氏によると、同社は年明けから急増した注文に対応するために費用を掛けて1500人近くの労働者を採用したが、1ヵ月も経たないうちに注文が激減したという。
生産が回復するのは来年半ばの見込みで、労働者は焦りと先行きへの不安を募らせている。
ビンズオン省労働連盟によると、第2四半期以降に製造業330社以上が労働者の解雇や契約停止を余儀なくされる困難に直面し、4万1000人以上の労働者が影響を受けたとされている。
特に木材製品や繊維製品、履物、電子機器といったEUや米国に輸出する多くの産業が大きな困難に直面しており、多くの工場で受注が30〜50%減少して完成品が輸出できなくなり、収益が低迷している。
同連盟法律政策部門のダン・タン・ダット副部長によると、労働者が400万〜500万ドン(約2万3610〜2万9520円)の基本給では生活することが不可能であり、多くの労働者はお金を貯めるために帰郷することを選ぶ。
同省タンユエン町フンロイ(Hung Loi)2街区には労働者用の部屋1300室以上があるが、管理人のグエン・ヴァン・フン氏によると、繁忙期には4000人以上もいた入居者が現在は2000人以下となって半分以上の部屋が空いている。
また、多くの飲食店も労働者が減ったことで利用者が激減して閉店が相次いでいる。
フンさんによると、新型コロナウイルスの流行時よりも酷く大変な状況であるという。パンデミック禍では政府からの経済・食料支援があったが、今は多くの人が失業して「食べることすらできない」状況となっている。
仕事が見つからず、近くの池でカタツムリを捕まえたり、野菜を採ったりして食いつないでいる人が多いという。
ビンズオン省労働組合のグエン・ホアン・バオ・チャン副会長は、「同省の労働組合は近々、労働管理機関と連携し、出稼ぎ労働者の新たな就業機会を見つける」と述べている。
また、同労組は企業に対して、労働者向けの支援パッケージを迅速に支給するよう要請している。
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