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過去最大となる2兆円超の横領、関与者86人が起訴・一部は国外逃亡
<写真:sggp.org.vn>
ベトナムのビジネス界が、不動産大手ヴァン・ティン・ファット・グループの会長であるチュオン・ミー・ラン容疑者(67)に関連する大規模な金融スキャンダルによって揺れている。
公安省傘下の密輸経済汚職犯罪捜査警察局(C03)によると、ラン容疑者は経営支配権を掌握していたサイゴン商業銀行(SCB)を介して304兆ドン(約1兆8420億円)を横領した疑いで、賄賂、横領、銀行規制違反の罪によって起訴される可能性が高い。
当局が拡大捜査を進めており、同事件の被告総数は86人となっている。
ラン容疑者はSCBにおいては直接の役職を持っていないが、2012年の同行合併以降、85〜91.5%の株式を保有しており、実質的な経営支配権を持って同行を資金調達の手段として使用していた。
捜査によると、2018年2月〜2022年10月7日までの期間に、ラン容疑者と共犯者たちは545兆ドン(約3兆3020億円)相当の架空の融資申請916件を作成してSCBから304兆ドン(約1兆8420億円)を横領した。更にラン容疑者は約130兆ドン(約7877億1300万円)の利息損失を引き起こした疑いも持たれている。
また、2012年1月1日〜2017年12月31日までの間に、ラン容疑者はSCBから同グループに関連する304人の個人または法人へ368件の融資を承認していた。
2021年10月にはラン容疑者と他の個人が債券発行と取引に関連する詐欺容疑で逮捕され、多くの預金者がSCBから資金を引き出し、同行は国家銀行によって「特別管理」下に置かれた。
同事件では元国家銀行監督部長であるドー・ティ・ニャン容疑者と監査チームの4人が職務中の権力乱用で逮捕された。
ニャン容疑者は2017年8月にSCBの不正行為を発見していたが、報告書を偽造して銀行の不正行為を覆い隠した疑いがあり、520万ドル(約7億6500万円)の賄賂を受け取ったとして告発されている。
ニャン容疑者が賄賂として受け取った額は1人の公務員が受け取った賄賂として過去最大額である。また、他監査チームメンバーは1億~87億ドン(約60万5930円〜約5271万6180円)をそれぞれ受け取っていた。
また、公安省によると、同事件に関与したSCBの会長職をはじめとする要職者5人が国外逃亡し、現在は指名手配されている。
ラン容疑者に関連する事件の被害総額はベトナムのGDPの6%に相当する金額である。このスキャンダルは国際的な注目を集め、ベトナム経済に深刻な影響を及ぼしている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。