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苦境に立たされるビナサン、外国投資ファンドが全株式を売却予定
<写真:tuoitre-vn>
外国投資ファンド「TAEL Two Partners」は、ベトナムのタクシー大手であるビナサン(Vinasun)の保有株式6400万株以上をすべて売却し、保有比率を0%に引き下げる意向を示している。
シンガポールに本拠を置き、ケイマン諸島で設立されたTAEL Two Partnersは、11月15日から12月13日までの期間中に、証券取引所での取引または合意による方法で保有株式を売却する予定である。
同ファンドは、売却の理由として「投資ポートフォリオの再編」を挙げている。
15日時点のビナサン株価は1株1万500ドン(約64円)で、過去1年間で約11%下落している。売却が成功した場合、同ファンドは約650億ドン(約3億9650万円)を回収すると見られるが、2013年以降の投資額や購入時の株価である1株4万5000ドン(約274円)前後を考慮すると、売却による損失は大きいと見られる。
TAEL Two Partnersは2013年末にビナサン株式3000万株を1株4万5000ドン(約274円)で取得し、以後も追加購入を行っていた。約10年間の投資期間中に、同ファンドは累計で約1400億ドン(約8億5400万円)の配当金を受け取ったが、株価の下落が影響し、投資全体では損失を計上している可能性が高い。
最新の連結決算報告によると、2024年第3四半期のビナサンの売上高は前年同期比21%減の2460億ドン(約15億60万円)となり、2022年第2四半期以降で最も低い水準となった。
一方、純利益は約210億ドン(約1億2810万円)を記録しているが、その大半は「その他収益」に分類される中古車売却収入やタクシー広告収入に依存している。
2024年初めから9カ月間の累計では、ビナサンの売上高は前年同期比17%減の7780億ドン(約47億5180万円)、税引後利益は52%減の約600億ドン(約3億6600万円)となった。
タクシー業界における競争激化やライドシェアサービスの台頭が業績低迷の一因とされている。
従業員数も減少傾向にあり、2023年末の1847人から2024年9月末には1655人に減少した。
ビナサンは事業再編の一環として、中古車売却で得た資金を活用し、ハイブリッド車や電動車両への投資を進める方針を示している。
2024年には約700台のハイブリッド車を導入予定で、必要資金は約6300億~6500億ドン(約38億4300万〜39億6500万円)と見込まれる。さらに条件が整えば、導入台数を1000台に増やす可能性もあるという。
ビナサンの経営陣は市場シェアの縮小を認めつつも、2024年の年間売上は増加する見込みを示しており、ライドシェア業界との競争に対処しつつ、新技術への投資を進めることで、競争力の回復を目指している。
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