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NVIDIAのベトナム進出、期待される半導体産業の飛躍的発展
<写真:vneconomy.vn>
世界的な半導体設計大手NVIDIAが、ベトナムに研究開発(R&D)拠点を設立すると発表した。この動きにより、NVIDIAはAIおよび半導体産業の要としてベトナムへの大規模投資を進める可能性が高い。
同時に自社サプライチェーンの一部をベトナムに移転する計画も進行中であり、総投資額は数十億ドル規模に上ると見込まれている。
12月時点で、ベトナムは半導体分野において174件の海外直接投資(FDI)プロジェクトを誘致し、総投資額は約116億ドル(約1兆7668億400万円)に達した。
NVIDIAの進出は、この規模をさらに押し上げ、ベトナムを高度技術分野およびAIの国際的ハブへと変貌させる可能性を秘めている。
NVIDIAはベトナムでのR&Dセンター設立にあたり、AIに特化した研究を進める計画である。初期段階では約130人の人員が配置され、さらに拡大が見込まれている。
同社はベトナムのAIスタートアップ企業VinBrainを買収し、これをR&Dセンターの基盤として活用する予定である。この買収はNVIDIAがベトナム市場の潜在価値を綿密に評価した結果であり、双方にとっての利益を最大化する戦略的判断とされている。
R&DセンターはAIデータセンターや関連企業を誘致する「磁石」となることが期待されている。この拠点を中心にAI技術を活用した半導体設計やAI応用技術の高度化が進むことで、ベトナムはAIと半導体の両分野での競争力を飛躍的に向上させることが可能となる。
ベトナム政府は今後5万人の半導体技術者を育成する計画を掲げており、国内大学もこれに対応した教育プログラムを展開している。特に半導体設計はチップ製造工程の中でも全価値の50~60%を占める高付加価値分野であり、比較的少ない投資で始められる利点がある。
一方で、製造工程は数十億ドル単位の巨額投資を必要とするため、当面はNVIDIAなどの国際的企業と連携し、設計やテスト、パッケージングといった付加価値の高い分野に注力する戦略が進められている。
2023年以降、ベトナムはAI、半導体、ブロックチェーンなどの未来技術分野で海外直接投資(FDI)の急増を経験しており、特にアメリカとの包括的戦略パートナーシップの強化を受け、両国間での半導体およびAI分野における協力が加速した状態にある。
アメリカ政府は2023年に半導体産業支援のための総額5億ドル(約761億9500万円)規模の基金を発表し、そのうち約15%がベトナムに割り当てられる予定となっている。
現在は3~4億ドル(約457億1700万〜609億5600万円)規模の13件の半導体投資プロジェクトが進行中で、2024年末から2025年初頭にかけて正式許可が下りる見通しである。
ベトナム政府はNVIDIAの進出を円滑に進めるため特別作業チームを編成し、同社の投資誘致を積極的に推進している。この取り組みはベトナムをAIおよび半導体技術分野での地域的・国際的ハブとして位置付ける重要な一歩である。
NVIDIAによるサプライチェーンの一部移転が実現すれば、今後数十億ドル規模のFDIがベトナムに流入する可能性が高い。
これにより、AIおよび半導体分野での人材育成が加速し、技術的自立が進むだけではなく、グローバル市場での競争力が飛躍的に向上することが期待されている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。