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コンゴにおける未知の感染症、ホーチミンが対応策を発表
<写真:dantri.com.vn>
ホーチミン市保健局は17日、コンゴ民主共和国(DRC)で発生した未知の感染症に対し、同市内での対応策を発表した。
ホーチミン市とコンゴ民主共和国を結ぶ直行便は存在しないため、同市に到着する同国からの乗客は欧州、中東、またはアジアの各地を経由しなければならない。
また、コンゴ民主共和国内で運営されているキンシャサやルブンバシ、ゴマ、キサンガニといった主要国際空港は、世界保健機関(WHO)の報告によれば感染症発生地域には含まれていない。
海路においては、主要港であるボマ港が感染症発生地域外に位置しているため、同港を経由する貨物や乗客への感染リスクは低いと判断されている。
さらに、通常ボマ港からホーチミン市への輸送には30~40日が必要とされ、この期間中に感染者の症状が発現する可能性が高いため、早期の感染発見が可能であると考えられる。
一方、ホーチミン市では市内への感染症侵入を防ぐため、感染症監視体制を強化している。
ホーチミン市疾病管理センター(HCDC)は、タンソンニャット国際空港や同市内の港において24時間体制で健康検査を実施し、遠隔体温計や目視による健康状態の確認を行っている。
また、感染症の警戒レベルに応じ、市内医療機関や地域コミュニティで早期警報システムを稼働させているという。
このシステムには、ホーチミン市内22区・郡およびトゥードゥック市に展開される地域保健ボランティアネットワークが含まれ、迅速対応チームの訓練や医療従事者への研修も実施されている。
感染疑いが確認された場合には、速やかに適切な隔離および治療が行える体制が整えられている。
WHOとアフリカ疾病対策センター(Africa CDC)の報告によれば、12日時点でコンゴ民主共和国では527件の感染例が確認され、うち32件が死亡(致死率6%)した。
主な症状には発熱、頭痛、咳、鼻水、筋肉痛が含まれており、患者の半数以上が5歳未満の子どもである。
特に重症例は深刻な栄養失調を伴っており、感染症発生地域はコンゴ民主共和国クワンゴ州パンジに限定されている。
この地域では医療アクセスが非常に制限されており、最近の食糧不足や低い予防接種率が感染拡大を助長しているという。
WHOは感染症の地域的リスクを「高」と評価しつつも、国全体としてのリスクは「中程度」としており、特に隣国アンゴラとの国境付近での監視強化が推奨されている。
ホーチミン市保健局は市民に対して感染症発生地域への不要不急の渡航を控えるように呼びかけ、感染症発生地域から帰国した際に疑わしい症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診し、行動履歴を正確に報告するように求めている。
ホーチミン市は今後も感染症の侵入を防ぐため、警戒を続ける方針である。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。