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ベトナムのS&P格付け、BB+からの格上げを目標

<写真:qdnd.vn>
ファム・ミン・チン首相は26日、ハノイ市の政府庁舎でS&Pグローバル・レーティングのグローバル営業責任者リン・マクスウェル氏と会談を行った。
S&Pは世界有数の独立信用格付機関であり、ベトナムの格付けを「BB+・安定的」と評価している。
チン首相はこの評価に感謝を示しつつ、ベトナムがさらなる格上げを目指していることを強調した。
新型コロナウイルス感染症によるサプライチェーンの混乱や市場の停滞を克服し、2024年には7%を超える経済成長を達成した。
チン首相によれば、ベトナムは2025年には8%以上、さらに長期的には2桁成長を目指し、高所得国入りを目標としている。
そのためには、行政改革の推進、民間企業の活動を支援する規制緩和、コスト削減、権限の分権化などを進め、ビジネス環境の改善を図る必要がある。
また、チン首相は交通や医療、教育、文化・スポーツといった戦略的インフラの整備を加速させ、物流コストや製造コストの削減を通じて国際市場での競争力を強化する考えを明らかにした。
チン首相は2023年にベトナムと米国が包括的な戦略的パートナーシップを確立したことに触れ、米国を主要な貿易相手国と位置づけていると述べた。
航空機の大量購入を含む産業製品の輸入を通じて貿易の均衡化を図る考えを示し、米国に対してベトナムを市場経済として認めることや、高度技術製品の輸出規制リストからの除外を要請した。
これに対し、マクスウェル氏は、S&Pが100カ国以上で活動し、1600億ドル(約23兆8752億円)以上の時価総額を有する信用格付け機関として、ベトナム市場の成長を支援する意欲を示した。
また、S&Pの専門知識を活用し、ベトナムの資本市場の国際化を支援する方針を表明している。
チン首相は現在ベトナムが空港整備や高速鉄道の建設、物流能力の強化など大規模なインフラ投資を進めていると説明した。
特に2030年から2035年までに総額1000億ドル(約14兆9220億円)が必要と見込まれる鉄道網や、3000kmから5000kmに及ぶ高速道路網の整備を目指していると述べ、これらのプロジェクトに向けて多様な資金調達手段のアドバイスと支援をS&Pに求めた。
マクスウェル氏はS&Pが公共民間パートナーシップ(PPP)を通じた資金調達の促進に貢献することが可能であるとして、ベトナム経済の発展に積極的に関与する姿勢を示した。
チン首相は今後も法制度の整備を進め、PPPを含む投資環境の改善を図る方針を再確認している。
特に大型プロジェクトや原子力発電所の建設など、成長を支える重要インフラへの投資を推進する意向を示した。
今回の会談を通じ、ベトナムはS&Pとの協力を通じて国際的な資本市場へのアクセスを拡大し、経済成長を加速させる意向を明確にした。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。