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ホーチミンの民泊禁止の影響、賃料が5〜15%値下がり

<写真:baomoi.com>
ホーチミン市において集合住宅での短期宿泊サービスの利用が禁止されたことを受け、多くの物件所有者が賃料を5〜15%引き下げ、長期賃貸への転換を進めている。
特に、ビンタイン区に位置する大型住宅地ビンホーム・セントラルパークでは、管理組合が3月15日以降の短期賃貸を禁止する方針を示した。
そのため、Airbnbとして運営されていた1300戸以上が、所有者と運営者との間で契約内容の見直しを進めている。
ビンホーム・セントラルパークでは、これまで1〜4ベッドルームの物件が1泊あたり100万〜400万ドン(約5910〜2万3640円)、月額では2500万〜7000万ドン(約14万7750〜41万3700円)で短期賃貸されていた。
他の高級集合住宅においても価格競争が進み、月額賃料が大幅に引き下げられるなど、市場の変動が顕著である。
この動向の背景には、短期賃貸禁止によって数千戸に及ぶAirbnb運営物件が一挙に長期賃貸市場へ流入し、需給バランスが崩れたことがある。
賃料の下落は入居者にとっては好機であるが、物件の投資回収を目指す所有者にとっては打撃となっている。
実際、過去5年間で分譲価格が59%上昇した一方、賃貸による利回りは現在おおよそ3%程度まで低下している。
短期賃貸サービス提供者の中には「Airbnbは収益性以上に集客のしやすさが強みであり、長期賃貸への移行は運営モデルの転換を伴うため困難」とする意見もある。
現在、ホーチミン市内には約1万戸のAirbnb物件が存在するとされており、これらが一斉に長期賃貸へ転換することで、市場全体に大きな影響を与える可能性が指摘されている。
一方、専門家らは短期賃貸の禁止がセキュリティの向上や住環境の安定、さらには実需に基づく市場の健全化に寄与するとの見方を示している。
ただし、政策の実施にあたっては、段階的なアプローチや柔軟な対応が望ましいとの声も根強い。
不動産専門家は「一律の禁止ではなく、適切に管理された運営モデルを導入することで、観光業と不動産市場の両立が可能となる」との見解を示している。
なお、現行の住宅法では住宅の居住目的以外での使用を禁止しているが、宿泊施設として運営する場合には関連法令に基づく許可を取得することで合法的に運営することが可能である。
今後は、こうした状況を踏まえ、明確なガイドラインの整備と統一的な運用が求められる。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。