おすすめのプロモーション
Loading...
Loading...
Loading...
麻薬犯罪の死刑廃止提案、抑止力低下の懸念
2025年05月26日(月)07時00分 公開

<写真:laodong.vn>
ベトナム政府は2025年の刑法改正案において、麻薬運搬罪に対する死刑を廃止し、減刑のない終身刑へと変更する方針を示している。
この動きに対し、司法現場からは慎重な対応を求める声が上がっている。
クアンチ省人民裁判所副所長のレ・ティエット・フン氏は、これまでの実務経験を踏まえ、「死刑という極刑の抑止力が低下すれば、麻薬犯罪が増加する恐れがある」と警鐘を鳴らす。
実際、2023年に全国で処理された麻薬関連事件は2万6469件に上り、そのうち38.2%に相当する1万111件が麻薬運搬に関するものであった。麻薬運搬罪は麻薬流通網の中核をなす重要な犯罪と位置付けられている。
フン氏はまた、近年の裁判において未成年者が運搬役として利用される事例が確認されている点を挙げ、死刑が終身刑に置き換えられた場合、経済的に困窮している人々や強要された者が運搬役を引き受けるリスクが一層高まると指摘する。
さらに「運搬者が犯行の全体像を把握しながら行動しているケースも多く、単なる“使い走り”という理由で責任が軽減されるべきではない」との見解を示した。
このような背景を踏まえ、フン氏は「3kg以上の大量運搬に限っては死刑を維持すべきである」との提案を行っている。
これにより軽微なケースには人道的配慮として減刑なしの終身刑を適用しつつ、重大な事案に対しては法の厳格性を保持するという、バランスの取れた制度設計が求められると訴える。
さらに、麻薬犯罪の抑止には法的制裁だけではなく、法教育の徹底や雇用機会の創出といった社会的支援策も不可欠であるとの指摘がなされている。
死刑廃止を巡る是非は今後、ベトナム社会において一層活発な議論を呼ぶことが予想される。
[© poste-vn.com 2012-2025 All Rights Reserved.]
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。
あなたにおすすめの記事
もっと見る
Loading...
Loading...
Loading...