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電子インボイス義務化、小規模事業者に深刻な影響続く

<写真:tuoitre.vn>
2025年6月1日より施行された電子インボイス(電子請求書)の義務化に伴い、ホーチミン市やハノイ市を中心に、小規模事業者による店舗の閉鎖が相次いでいる。
制度変更に加え、市場監視の強化も進められており、小規模店舗の営業継続に大きな影響を与えているという。
新たな制度は政令第70号に基づき、年間売上が10億ドン(約600万円)を超える事業者に対し、従来の定額課税方式から月次または四半期単位の申告制への移行を求めている。
これによって正規の会計帳簿および証憑の整備が不可欠となり、実務的な負担が急増している。
ホーチミン市ビンタイン区のバーチエウ市場で長年に渡ってファッションアクセサリーを販売してきたグエン氏によれば、仕入れ先の多くが小規模工房であり、取引は現金主体、帳簿も手書きに限られているという。
インボイスの発行を求めても応じてもらえないのが実情であり、税金や市場使用料はこれまで通り支払っているとしつつも、当局による厳格な検査が実施されれば営業継続は困難であるとの見通しを示した。
小物販売を営むタオ氏によれば、ホーチミン市5区のアンドン市場でも、仕入れ先の多くがすでに廃業しているか税番号を持たず、インボイスの発行に応じない。
在庫の大半は3〜4年前に仕入れたもので、出所を証明する手段がないため、制度施行前の経過措置を求めている。
タンビン市場の履物業者ミン氏は、毎日異なる業者から価格を優先して仕入れており、仕入書類の整備は現実的ではないと訴える。
こうした取引形態そのものが、新制度の下では違反とされる可能性があり、強い不満を示している。
ハノイ市でも同様の状況が見られ、ドンダー区のガートゥーソー市場やホアイドゥック郡ラフー村の菓子卸売店などでは、一時的な閉店や業務縮小が相次いでいる。
これらの店舗も、長年にわたりインボイスや領収書を伴わない現金取引を続けており、新制度への対応が間に合っていないのが実情である。
市場管理当局は合法な仕入れ証明がない販売行為は違法であり、行政処分の対象になると強調している。
また、消費者保護および不正防止の観点からも、商品流通における出所の明確化を推進していく方針を示している。
一方、税務の専門家は「すべての事業者に即時対応を求めるのは非現実的であり、現存在庫については正規の証憑がない場合でも、追徴課税を回避できるような柔軟な運用が必要である」と指摘する。
制度導入に際しては、段階的な周知および支援策の徹底が税務当局に求められている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。