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ハノイ鉄道カフェ通りの対応、観光政策の在り方に疑問の声

<写真:lifestyle.znews.vn>
ハノイの人気観光地であるトレインストリート(鉄道カフェ通り)において、外国人観光客がたびたび当局によって強制退去させられる状況に対し、専門家から対応の在り方に疑問を呈する声が上がっている。
6月14日の夜には、数百人にのぼる外国人観光客が現地当局の指示により通りから退去させられた。
こうした対応は数カ月毎に繰り返されており、当局は2019年以降、安全確保や違法営業の取り締まりを理由に規制を強化してきたが、抜本的な解決には至っていない。
ベトナム国家大学ハノイ校観光学部のトリィン・レ・アイン准教授は「観光客はここを合法的な観光地と認識して訪れているが、突然の退去命令はまるで家畜のような扱いに等しい」と述べ、このような措置がハノイの観光地としてのイメージに深刻な悪影響を及ぼすと警鐘を鳴らした。
現地では、安全対策が不十分なまま店舗営業が続いており、観光客が列車と接触する事故も発生している。
ハンボン街区人民委員会によれば、住民が鉄道敷地内に違法に居住・営業を続ける背景には、経済的困窮や代替住居の欠如といった社会的課題が存在するという。
実際、一部の店舗は閉鎖されたが、隣接区では営業が黙認されており、行政対応の一貫性のなさが際立っている。
アイン准教授は、問題の根本には明確な管理責任機関の不在があると指摘し、「外国の成功事例から学ぶべきである」と提言した。
具体的には、タイのメークロン市場やスリランカのエッラ鉄道では、列車の通過時間に合わせて営業を調整し、安全対策を講じたうえで観光資源として有効に活用していると紹介した。
アイン准教授は最後に「禁止一辺倒ではなく、創造的かつ柔軟な管理体制の構築こそが求められている。地域社会に利益を還元できる、持続可能な観光モデルへの転換が急務である」と訴えた。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。